2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトパピローマウイルスの感染制御に関与する免疫応答の解明
Project/Area Number |
17591722
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松本 光司 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30302714)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / HPV / 子宮頸癌 / サイトカイン |
Research Abstract |
子宮頸癌病変から極めて高率(90%以上)にヒトパピローマウイルス(以下HPV)のDNAが検出されることよりHPV感染は子宮頚癌発症の最大のリスクファクターであると考えられている。しかしながら、HPV感染者のすべてが発癌するわけではなく、HPV感染者のうち適切な免疫応答が誘導されなかったごく一部の患者で持続感染の結果として発癌に至ると推定されている。HPV感染に対するヒトの免疫応答のメカニズムを解明することを目的としている本研究では、免疫応答に密接に関与するサイトカインのプロモーター変異に着目して研究を行ってきた。代表的なType2サイトカインであるIL-10のプロモーター変異は592,819,1082番目の塩基配列でのみ生じ、変異のパターンによってプロモーター活性が異なることが知られている。平成17年度にはamplification refractory mutation system(ARMS)-PCR法によってIL-10プロモーターの変異を検出できることを確認した。平成18年度は倫理審査委員会へ研究申請を行い、その承諾の下に本格的に症例を集めて研究を開始した。平成19年度にかけて細胞診正常162例、前癌病変98例、子宮頸癌67例から子宮頚部擦過細胞サンプルを得た。現在、鋭意解析を進めているところであるが、子宮頸癌患者と前癌病変患者とのあいだでプロモーター変異の頻度に差がみられ高分泌型IL-10プロモーターの頻度は子宮頸癌患者に多いことから、Type2の免疫応答が子宮頸癌の発癌ウイルスであるHPVの感染制御に不利に働くと考えられる。平成20年度にこれらのデータの学会発表および論文発表することを予定している。
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Research Products
(3 results)