2006 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科悪性腫瘍に対する樹状細胞免疫療法の効果増強因子を同定する臨床的・基礎的研究
Project/Area Number |
17591732
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 講師 (80283597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 健 京都大学, 医学研究科, 助手 (00362533)
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
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Keywords | 卵巣癌 / 腫瘍免疫 / PD-L1 / 血管内皮前駆細胞 |
Research Abstract |
A)婦人科悪性腫瘍の病態・予後に対する腫瘍免疫の影響の解析:前年の子宮頚部腺癌の解析に引き続いて、子宮頚部腺癌以外の婦人科悪性腫瘍においても腫瘍免疫の関わりを明確にするため、卵巣癌症例において、免疫関連因子PD-L1,L2およびCD8+T細胞の腫瘍内浸潤に関して検討した。この結果、卵巣癌におけるPD-L1の発現は、CD8+T細胞の腫瘍内浸潤と逆相関し、かつ、予後不良因子となっていることが明らかになった。B)本学倫理委員会の承認を得て、さまざまな婦人科悪性腫瘍患者の末梢血および腹水中の樹状細胞・細胞障害性リンパ球を培養し、これを当該患者の腫瘍組織を破砕処理したもので感査することにより、弱いながら明らかな抗腫瘍細胞障害活性を検出した。一方でK562細胞にレトロウイルスを用いて免疫賦活化分子Flt-3を導入し、これらと樹状細胞や細胞障害性リンパ球を混合培養することにより、より強い免疫活性が得られることを見出した。C)卵巣癌における免疫治療モデルとして、マウス卵巣癌細胞HM-1を用い、肺転移モデルを作成した。転移腫瘍の血管を標的とするために、血管内皮前駆細胞株eEPCに免疫増強(免疫細胞遊走)因子である、CCL19をレトロウイルスを用いて遺伝子導入し、HM-1肺転移形成後に静脈内に投与し、転移巣に分布するか、また、腫瘍抑制能を有するかを検討した。この結果、eEPCは肺転移巣に効率的に取り込まれ、腫瘍の増殖を抑制することが示された。また、このとき、全身的に抗腫瘍免疫が活性化されていた。すなわち、eEPCを用いた、腫瘍標的免疫療法は手術不能な多発転移巣に対して有効な治療となる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)