2006 Fiscal Year Annual Research Report
核内転写因子活性を標的としたヒト着床不全に対する分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
17591734
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90240845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下屋 浩一郎 川崎医科大学, 産婦人科, 教授 (40291950)
筒井 建紀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00294075)
荻田 和秀 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80379247)
渡辺 宣信 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00418774)
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Keywords | 着床不全 / 子宮内膜 / 一過性遺伝子導入 / stat-3 / デコイ / プロゲステロン / 脱落膜化 / 体外受精-胚移植 |
Research Abstract |
マウス妊娠子宮内に高効率に、妊娠経過を阻害せずに遺伝子発現ベクターを導入するシステムを開発し、性交後1.5日目にstat-3デコイ、あるいはstat-3ドミナントネガティブ変異体cDNAを導入する実験をおこなった。すると通常性交後4.5日目に確認される着床現象が見られず、着床遷延現象も見られず、偽妊娠マウスでの機械的刺激に対する脱落膜化反応が見られない形質が得られた。しかし、このマウスにおける、排卵後の卵巣の黄体形成、血中プロゲステロン濃度、子宮におけるプロゲステロン受容体の発現はコントロールと差がなかった。これらの検討は遺伝子導入によるstat-3活性化障害マウスモデルにおいては内分泌学的変化をもたらすことなく、着床不全が起こることが明らかになった。そこで、患者の同意を得て、通常の子宮内膜日付診検体の一部を薄切し、抗リン酸化stat-3抗体で免疫組織化学染色を行い、個々の患者の妊娠予後との比較検討を行った。体外受精・顕微授精-胚移植プログラムを受けた患者で検討すると二回以内に妊娠が成立した患者に比べて、二回以上形態良好胚を移植したにもかかわらず妊娠が成立しなかった患者において、抗リン酸化stat-3抗体で内膜腺上皮の核が染色されない症例が多い傾向にあった。しかし、有意差検定を行うと統計学的に有意差ではなかった。両群間で血中ホルモン値の間に有意な差は認めなかった。今回の我々のマウスを用いた研究成果、ならびにヒト検体を用いた予備的検討の結果、着床のkey moleculeとしてstat-3の活性化が重要な役割を示していることが明らかになった。また、ヒトの着床不全症例の原因は単一のstat-3活性化不全だけでは説明がつかない可能性も示唆された。
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Research Products
(5 results)