2005 Fiscal Year Annual Research Report
多分化能を有する羊膜幹細胞の超大量増幅と細胞バンク化へ向けた基礎的検討
Project/Area Number |
17591741
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原 鉄晃 広島大学, 病院, 助教授 (30198890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10112062)
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Keywords | 再生医療 / 羊膜 / 幹細胞 / 多分化能 / 凍結 |
Research Abstract |
本年度は羊膜幹細胞の分離、培養法の基礎的知見を得るために以下の研究を実施した。 1)羊膜幹細胞の分離・培養・同定のために、酵素処理およびメッシュ濾過法により間質由来細胞と上皮由来細胞の分離と培養を試みた。 その結果、従来法であるコラゲナーゼ→DNase→フィルター濾過→フィルター上の組織をトリプシン処理し上皮由来細胞として分離した場合は、培養を継続するにつれて間質由来細胞が増殖し、継代を繰り返すうちに上皮様の形態を示す細胞数は減少した。分離法の再検討が必要である。 2)羊膜細胞の増殖法の検討:細胞外マトリックスの増殖能への影響検討 間葉系幹細胞の超増幅法に用いるbFGFを羊膜上皮由来細胞に添加したが、増殖効果は認められなかった。そごで、Type I,IVコラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンコートされた培養皿上での増殖効果を検討した。さらに、血清を含まない上皮細胞用の培地(カルシウム含有あるいは不含)と血清含有のDMEM F12/HAM培地での増殖効果を比較した。その結果、羊膜上皮由来細胞はカルシウムを含有する無血清上皮細胞用培地で培養し、基質としてのフィブロネクチンあるいはType Iコラーゲン上で培養した場合に著しく増殖した。 3)羊膜由来細胞の上皮、間質マーカーによる同定 上皮マーカーとしてE-cadherin,cytokeratin 19の、間質マーカーとしてFn-EDA,vimentinの特異的プライマーを作製し、継代初期の細胞のRNAを用いてRT-PCRを行った。その結果上皮由来細胞ではE-cadherinが特異的に、間質由来細胞ではvimentinが比較的多く発現していたことから、これらを分離のマーカーとして使えることが示唆された。 このようなデータの結果を踏まえ来年度は羊膜細胞の分離法についてさらに検討し、分化能についても検討を進めたい。
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