2006 Fiscal Year Annual Research Report
多分化能を有する羊膜幹細胞の超大量増幅と細胞バンク化へ向けた基礎的検討
Project/Area Number |
17591741
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原 鐵晃 広島大学, 病院, 助教授 (30198890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸夫 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (10112062)
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Keywords | 再生医療 / 羊膜 / 幹細胞 / 多分化能 / 凍結 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続き羊膜細胞の分離、培養法の基礎的知見を得るための研究と、細胞の未分化度の評価、分離した上皮由来細胞・間質由来細胞の骨分化能を検討する研究を実施した。 1)羊膜幹細胞の分離・培養・同定のために、酵素処理およびメッシュ濾過法により間質由来細胞と上皮由来細胞の分離と培養を試みた。 その結果DNase/hyaluronidase処理→トリプシン処理→フィルター濾過→フィルター濾過された細胞を上皮由来細胞、フィルター上の組織をコラゲナーゼ処理した細胞を間質由来細胞として分離した。従来法に比べ、上皮由来細胞への間質由来細胞の混入割合は減少したが、依然として完全な分離法は確立できておらず、更なる検討が必要である。 2)羊膜幹細胞の未分化度の評価 未分化細胞のマーカーとしてNanog、Oct-4、Rex-1、Sox-2の特異的プライマーを作製し、継代初期の細胞のRNAを用いてRT-PCRを行った。その結果、上皮由来細胞ではNanog、Oct-4、Rex-1が多く発現し、Sox-2も僅かながら発現していた。また、間質由来細胞においてもNanog、Oct-4が多く発現し、Rex-1、Sox-2も僅かに発現していた。このことより、羊膜幹細胞は未分化な細胞であり、種々の細胞への分化能を持つ可能性が示唆された。 3)In vitroにおける羊膜細胞の骨分化能の検討 間質由来細胞、上皮由来細胞をTissue culture dishに播種しconfluentになるまで培養後、従来法通りの骨誘導メディウムにて経時的に最長4週間培養し、Alizarin Red染色と、Osteocalcin特異的なプライマーを用いたRT-PCRを行った。その結果、間質由来細胞、上皮由来細胞ともに、全ての時期においてAlizafin Redによる染色とOsteocalcinの発現は確認できなかった。さらなる培養条件の検討が必要である。 このようなデータの結果を踏まえ来年度は羊膜細胞の分離法についてさらに検討し、主に骨へ誘導するための有効な分化法についても検討を進めたい。
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