2006 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣明細胞腺癌の予後改善を目指したプロテオミクス解析を用いた検討
Project/Area Number |
17591750
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石岡 伸一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90305219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 康太 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60404795)
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Keywords | 卵巣癌 / 抗癌剤 / プロテオーム / 臨床 |
Research Abstract |
石岡、梅村は、卵巣明細胞癌細胞株のうちTaya株がTaxane系に対して比較的耐性であるが、新規プラチナ製剤Oxaliplatinに対して感受性を示し、そのメカニズムとしてアポトーシスが関与することを示した。 石岡は、RTPCRを用いた検討により、この明細胞癌細胞株で脂肪組織より分泌されるサイトカインであるアディポネクチンの受容体が発現していることを見出した。 血中アディポネクチン濃度と子宮体癌の予後に相関があることが近年報告され、アディポネクチンが癌の発育にも関与することが考えられている。そこで、まず梅村は臨床手術検体を用いて明細胞癌組織でアディポネクチン受容体が発現しているか検討した。1990年以降2000年までの50例の明細胞癌組織の約40%でアディポネクチン1ないし2受容体が発現しており、アディポネクチン2受容体発現患者で予後がよい傾向にあることを見出した。アディポネクチンはいくつかの細胞でアポトーシスを誘導することがしられており、我々は、アディポネクチン受容体を発現している明細胞癌患者では、抗癌剤に対してアディポネクチンを介したアポトーシスを引き起こしやすく、予後良好の一因となっていると考えた。 そこで、こうしたメカニズムによるアポトーシスが起きているのか、Taya株を用いた検討を始めた。Taya株に対してアディポネクチン添加下と非添加下における抗癌剤(Taxane及びOxaliplatin)誘導アポトーシスにおけるアポトーシス関連発現の違いを、プロテインアレイを用いた検討を開始している。本年度までの検討で明細胞癌の予後にアディポネクチン及びその受容体が重要な役割を果たすことを見出し、現在基礎及び臨床面より検討中である。
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Research Products
(2 results)