2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮癌および卵巣癌由来の抗癌剤耐性癌に対する耐性克服分子標的療法の開発
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17591752
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田中 哲二 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (80275255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 和典 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20301434)
南 佐和子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90219692)
宇都宮 洋才 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60264876)
宇都宮 智子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60382355)
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Keywords | 子宮癌 / 卵巣癌 / 抗癌剤 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
【1】エピジェネティクス制御による抗癌剤耐性克服法の検討 (1)プロモーターメチル化制御と抗癌剤感受性変動:我々はCDDP耐性化子宮頚癌細胞の脱メチル化実験で新CDDP耐性化機序(強力なRNA翻訳障害)を報告した。そこで、同癌種での他抗癌剤耐性と脱メチル化効果、他CDDP耐性癌種(特に卵巣癌)と脱メチル化効果、を検討したところ、脱メチル化はtopo-I inhibitor耐性を部分的解除し(論文執筆中)、topo-II inhibitor耐性はCDDP耐性同様、プロモーターメチル化と相関した。脱メチル化抗癌剤感受性回復に関与する分子は、mRNA発現プロファイリングでは見出せていない。細胞内シグナル阻害剤と脱メチル化処理の併用解析からも、抗癌剤感受性回復シグナル同定には至っていない。 (2)DAPK発現制御と抗癌剤感受性の解析:メチル化制御を受けやすいDAPK発現はCDDP耐性化機序と関連することから、脱メチル化処理とDAPK発現、siRNA-DAFK発現ノックダウン制御、につき解析した。脱メチル化後耐性克服度とDAPK発現は弱い逆相関を認めたが、DAPK以外のメチル化制御分子の寄与が大きいと結論した。DAPK発現ノックダウン制御は、CDDP耐性とVP16耐性を部分的克服し、5FU耐性を完全克服した。 【2】漢方成分由来の抗癌剤アポトーシス抑制シグナルの同定と分子標的療法開発:生薬有効成分に強力な抗癌剤抑制活性を見いだし(論文執筆中)、このアポトーシス抑制現象の細胞内シグナルを突き止めるべく、以下の実験を行った。 (1)生薬成分添加に伴う分子応答の解析(論文執筆中):MAPKK関与とDAPK発現の関与が認められたが、現在も検証中である。 (2)生薬成分添加に伴う細胞内シグナル応答解析:mRNAプロファイリング、siRNA実験を検証中である。
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