2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591754
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
松原 茂樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (20209597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 剛 自治医科大学, 医学部, 助手 (20296106)
瀧澤 俊広 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (90271220)
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Keywords | 生殖細胞 / 分化 / TEX101 / アポトーシス / 精巣 / 精巣上体 / 精管 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
1.TEX101(Mouse Genome Informatics;MGI ID:1930791)発現とアポトーシスとの関連性を見るために、幼弱マウス(生後1-12日)と成獣マウスにおいて、TEX101蛋白とTUNNELの2重染色を行った。その結果、両者が陽性に染まる細胞は認められなかった。アポトーシスから逃れた雄性生殖細胞がTEX101を発現している可能性が示唆された。 2.成獣マウス精巣におけるTEX101蛋白とTEX101 mRNAの局在をそれぞれimmunohistochemistryとin situ hybridizationを用いて形態学的に詳細に検討した。その結果、TEX101 mRNAはspermatogoniaでは発現が認められず、spermatocyteとstep1-9 spermatidで発現が認められた。ところがstep10-16 spermatidやspermatozoonではmRNA発現は認められなかった。一方、TEX101蛋白はspermatogoniaでは発現が認められず、spermatocyteとstep1-9 spermatidで発現が認められ、さらにstep10-16 spermatidやspermatozoonでも発現が認められた。step10-16spermatid以降の最終分化段階以降の雄性生殖細胞に認められるTEX101蛋白はde novoで合成されているのではなくて、その分化段階以前に合成されたTEX101蛋白を保持しているものと理解された。 3.同じく成獣マウスについて、精巣上体におけるTEX101蛋白の局在を形態学的に詳細に検討した。TEX101蛋白は精巣上体頭部(caput)のspermatozoonにその発現を認めたが、体部(corpus)、尾部(cauda)、さらに精管(vasdeferens)のspermatozoon6こは発現を認めなかった。 4.以上から、成獣では、精巣から精巣上体へとspermatozoonが移動していく間に、徐々にTEX101蛋白を消失していくことが観察された。この現象は、精子細胞の受精能獲得(capacitation)と関連する可能性があり、今後の研究成果が期待される。
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