2005 Fiscal Year Annual Research Report
未熟児脳障害発症におけるIL-18の役割の分子生物学的検討と周産期医療への応用
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17591764
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
玉置 知子 (橋本 知子) Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (10172868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森永 伴法 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (10351818)
柏村 信一郎 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00185761)
上田 晴康 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10330458)
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60111043)
辻 芳之 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60148658)
谷澤 隆邦 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10126534)
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Keywords | IL-18 / 血管内皮細胞 / 未熟児 / 脳性麻痺 / 臍帯血 / 敗血症 / TGF-β / cDNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
未熟児の脳の出血障害には、臍帯血におけるIL-18の有意な高値に加えて敗血症の合併が多かったことから、IL-18単独のみならず細菌毒素であるlipopolysaccharide(LPS)を組み合わせ、胎児-新生児の血管系細胞のモデルとなる臍帯由来ヒト血管内皮細胞(HUVEC細胞)を処理する系をまず確立した。HUVEC細胞を、IL-18およびLPS単独で、または組み合わせで処理したが、4日までは形態学的変化は認められなかった。処理後3日で継代培養しても、培養効率に差がみとめられなかった。遺伝子発現はcDNAマイクロアレイ(1.67万の遺伝子を検索)で検討した。その結果、LPS処理後にIL-18を添加した場合には、1.5倍以上の変動を示した遺伝子が29(増加したものが24、低下したものが5)であった。2倍以上増加した遺伝子で、LPSが発現上昇に主として関与したと考えられたものが11個(CCL2、CXCL2、CXCL1、serine proteinase inhibitor(SERPINB10)、phospholipase A2(PLA2G4C)、IL-8、ubiquitin D、CD54、ICAM1、機能不明の2遺伝子)、減少したものは1個(extracellular link domain containing 1)であった。LPSとIL-18の相加的な効果によって発現が増加したものは、10倍以上がendometrial bleeding associated factor(EBAF)、1.7-1.8倍がATPase,Na+/K+ transporting,beta 3 polypeptide(ATP1B3)、機能不明のPD2であった。EBAF遺伝子はTGF-βファミリー遺伝子で、lefty遺伝子の別名がよく知られている。その蛋白の血中レベルの変動が子宮内膜のホルモン依存性の剥離に関連すると報告されているが、未熟児血管障害との関連は知られていない。
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