2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮平滑筋に存在する亜型T型カルシウムチャンネルの生理的役割に関する研究
Project/Area Number |
17591767
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 善仁 福岡大学, 医学部, 講師 (20260698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓦林 達比古 福岡大学, 医学部, 教授 (30142350)
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Keywords | ヒト子宮平滑筋 / Xenopus oocyte / T型カルシウムチャンネル / 電位固定法 / splice variant |
Research Abstract |
ヒト妊娠子宮T型Ca^<2+>チャンネルには野生型(α1H-a:Δ25B/+26)の他に、チャンネルの膜貫通領域(domainIIIとIVの間)にあたるexon25Bと26のsequenceが異なる3つのsplice variant(Δ25B/Δ26、+25/Δ26、+25/+26)が存在する。これらのcRNAをXenopus laevisに発現させて、いくつかの電気的特性を評価する。まずXenopus laevisを約20分ほど氷に浸し、不動化する(dechloronate麻酔の代用)。Pelvic jointの約5cm上方に10mmの切開を入れ、卵を総量として5ml程採取し、ND96液の入ったtubeに入れる。ND96液で卵を4回程洗浄しペトリ皿に入れて周囲の膜を鋭的、鈍的に除去する。Collagenase(Sigma C-9891 type A:1.2mg/ml)を含んだND96液に入れて2時間ほどインキュベートして卵を単離する。インキュベート終了後Ca^<2+>除去したND96液で十分洗浄し、形態的に良好な卵のみを選別する。その後上記のT型Ca^<2+>チャンネルのcRNAを卵に注入し、発現させる。量的には約50nlのcRNAを注入した。3M KClを含む2本の微小電極を用いた電位固定法で行った。使用する機器はアンプとしてGeneclamp500B(Axon Instruments:現有設備)を、データ収集用コンピューターでデータを蓄積し、pCLAMP system(DigidataおよびpCLAMP 8.0)にて解析した。外液としては卵に豊富に存在するCa^<2+>-activated Cl currentを抑制する目的とT型Ca^<2+>チャンネルを単離する目的で10mMのBa2+溶液を使用した。主要な電気的特性として、(1)電流電圧曲線(-110mVの保持電位から5mV間隔で脱分極刺激を与え、得られるT型Ca^<2+>チャンネルの振幅を記録)、(2)活性化曲線((1)の電流電圧曲線から計算)、(3)不活性化曲線(3秒間のプレパルスの電位を変化させて5msecのインターバル後ピーク電流が得られるテストパルスを掛ける事により得られる)、(4)不活性化からのrecoveryの評価(十分な不活性化が得られる電位へ3秒程脱分極させた後ピークの電流が得られるテストパルスを種々の間隔で与え、どれくらいの時間で不活性化から開腹するかを評価)などを行った。その結果、活性化定数、不活性化定数はΔ25B/Δ26で最も高く、+25/+26で最も低いこと、不活性化からの回復の時定数はΔ25B/Δ26で有意に早く、Δ25B/+26で最も遅いことなどが明らかになった。
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