2006 Fiscal Year Annual Research Report
前庭神経節細胞の生理学的及び薬理学的性質に関する研究
Project/Area Number |
17591778
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 真一 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (10359606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 健 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50251286)
佐原 資謹 国立精神神経センター, 神経研究所, 研究員 (40206008)
藤城 芳徳 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50401047)
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Keywords | 前庭神経節 / パッチクランプ / ホールセル / K^+チャネル / 培養 / 活動電位 |
Research Abstract |
1)幼若マウス及び幼若ラットから摘出した前庭神経節細胞の初代培養。 前庭神経節細胞の短期培養に関しては、前年度に既に確立し、生理学的な実験を行うことが可能となった。本年度は、培養液に加える血清や抗生剤等を工夫することによって、長期培養を試みた。現時点で、2日間程度の培養は可能となった。更に培養時間を延長させるために、栄養因子の効果につき検討中である。 2)培養した前庭神経節細胞からのパッチクランプ、ホールセル記録 培養した前庭神経節細胞からのホールセル記録が安定して行えるようになった。通常30分程度の安定した記録が可能となっている。 3)前庭神経節細胞におけるK^+チャネルのサブタイプの検討。 昨年度の研究で、培養前庭神経節細胞の発火特性は、概ね以下の3つのタイプに分類できることが明らかにした。1.活動電位が1つしか出ないタイプ、2.複数の活動電位が認められるが、accomodationのみられるタイプ、3.複数の活動電位が認められ、細胞に注入する電流の量に応じて活動電位の数が増加していくタイプ。本年度の研究では、この発火特性の差に、低電位活性化型のK^+チャネルの有無が大きな役割を果たしていることを明らかにした。この低電位活性化型のK+チャネルを薬理学的に明らかにするとともに、RT-PCR法とジーンチップを用いて、これらのチャネルのmRNAが実際に存在していることを明らかにした。前庭神経節細胞の発火特性やK+チャネルのmRNAが発達とともに変化するかどうかについて、現在検討中である。 現時点までの研究内容を第30回Association for Research in Otolaryngology Mid Winter Meeting(デンバー、USA)にて発表した。
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