2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いた加齢による感音難聴に対するNOの関与の解明と治療への応用
Project/Area Number |
17591784
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺西 正明 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20335037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 務 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30180277)
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Keywords | 蝸牛 / 加齡 / NO / 酸化ストレス |
Research Abstract |
C57BL/6マウスは、生後3〜4ヶ月以後、聴力が低下しはじめ加齢による難聴のマウスモデルとして用いられてきた。また、心臓、脳など他の臓器での加齢変化には酸化ストレスやNOの関与が指摘されている。 本研究の平成17年度は、遺伝子欠損マウスに対する野生型マウスとして汎用されまた加齢難聴マウスのモデルであるC57BL/6マウスを用いて、加齢による聴覚障害の評価を聴性脳幹反応(ABR)にて行い、また光学顕微鏡下で兔疫組織学的手法による内耳でのNOやフリーラジカル関連物質の変化を観察した。7週齢、7-8ヶ月齢、12ヶ月齢の動物を用いた。ABRでは7-8ヶ月齢および12ヶ月齢では7週齢と比べ、click,4k,6k,8k,12kHzで有意(p<0.01)に聴力レベルの低下を認めた。12ヶ月齢では7-8ヶ月齢と比べ、click,4k,6k,8kHzで有意(p<0.05)に聴力レベルの低下を認めた。兔疫組織染色の結果では誘導型NO合成酵素(NOS)やNOとスーパーオキシドより産生される強力なラジカルであるペロキシニトレートのマーカーであるニトロチロシンは7週齢と比べ7-8ヶ月齢および12ヶ月齢では、内耳蝸牛の中でラセン神経節や蝸牛外側壁、コルチ器で発現増強を認めた。これらの結果は、加齢マウスの蝸牛において、NOや酸化ストレスの細胞障害、細胞死への関与が疑われるものである。 また血管内皮型NOSはカベオリンにより細胞内で不活化され、またNOはcGMPを介しcGMP-dependent protein kinase-I(cGK-I)により細胞内カルシウムの調節などおこなっているが、カベオリンおよびcGK-Iの内耳での発現を認め、国内外の学会で発表した。
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Research Products
(6 results)