2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いた加齢による感音難聴に対するNOの関与の解明と治療への応用
Project/Area Number |
17591784
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺西 正明 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20335037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 務 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30180277)
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Keywords | 蝸牛 / 加齢 / NO / Akt / PKB |
Research Abstract |
本研究の18年度は、遺伝子欠損マウスに対する野生型マウスとして汎用されまた加齢難聴マウスのモデルであるC57BL/6マウスを用いて、加齢による聴覚障害の評価を聴性脳幹反応(ABR)にて行い、また光学顕微鏡下で免疫組織学的手法による内耳でのNOやフリーラジカル関連物質の変化を観察した。7週齢、7-8ヶ月齢、12ヶ月齢の動物を用いた。ABRでは7-8ヶ月齢および12ヶ月齢では7週齢と比べ聴力レベルの低下を認めた。12ヶ月齢では7-8ヶ月齢と比べ、聴力レベルの低下を認めた。増殖因子により細胞の生存が維持されるが、ホスファチジルイノシトール(PI)キナーゼによる活性化されるAkt/PKB(protein kinase B)経路は生存シグナルに重要である。活性型Akt(phospho-Akt)は、BADやプロカスパーゼ9のリン酸化や転写因子(Forkheadファミリー、NF-kB、CREB)の活性化を介して抗アポトーシス作用を示すとともにendothelialNOS(eNOS)酸化による活性化によりNO産生に影響を与える。血管内皮型NO合成酵素(eNOS)はAktによりserine1177のリン酸化を受け、活性を高める。免疫組織染色の結果ではphospho-Aktは前庭神経節細胞および耳石器、半規管神経上皮に認められた。蝸牛でコルチ器の主に支持細胞、ラセン神経節細胞、ラセン靭帯に発現が認められており、Akt/PKBがC57BL/6マウスの内耳における生存シグナルになんらかの関わりがある可能性が示唆された。外側壁での発現は7週齢と比べ、7ヶ月齢では増強し、12ヶ月では減弱していた。マウスの蝸牛での加齢変化が外側壁に早期に現れるとの報告もあり、加齢変化での内耳のストレス反応と考えられる。
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Research Products
(3 results)