2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子欠損マウスを用いた加齢による感音難聴に対するNOの関与の解明と治療への応用
Project/Area Number |
17591784
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺西 正明 Nagoya University, 大学院・医学部附属病院, 講師 (20335037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 務 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30180277)
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Keywords | 内耳 / 加齢 / nitric oxide (NO) / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究の19年度は、C57BL/6マウスを用いて、加齢による聴覚障害の評価を聴性脳幹反応(ABR)にて行い、また光学顕微鏡下で免疫組織学的手法による内耳でのNOやフリーラジカル関連物質の変化を観察した。7週齢、7-8ヶ月齢、12ヶ月齢の動物を用いた。ABRでは7-8ヶ月齢および12ヶ月齢では7週齢と比べ、click,4k,6k,8k,12kHzで有意(p<0.01)に聴力レベルの低下を認めた。12ケ月齢では7-8ヶ月齢と比べ、click,4k,6k,8kHzで有意(p<0.05)に聴力レベルの低下を認めた。免疫組織染色の結果では誘導型NO合成酵素(NOS)やNOと強力なラジカルであるペロキシニトレートのマーカーであるニトロチロシンは7週齢と比べ7-8ヶ月齢および12ヶ月齢では、内耳蝸牛の中でラセン神経節や蝸牛外側壁、コルチ器で発現増強を認めた。これらの結果は、加齢マウスの蝸牛において、NOや酸化ストレスの細胞障害、細胞死への関与が疑われるものである。 また、血管内皮型NO合成酵素(eNOS)はAktにより、活性を高める。phospho-Aktは前庭神経節細胞および耳石器、半規管神経上皮に認められた。蝸牛ではコルチ器の主に支持細胞、ラセン神経節細胞、ラセン靭帯に発現が認められており、Akt/PKBがC57BL/6マウスの内耳における生存シグナルになんらかの関わりがある可能性が示唆された。外側壁での発現は7週齢と比べ、7ケ月齢では増強し、12ケ月では減弱していた。マウスの蝸牛での加齢変化が外側壁に早期に現れるとの報告もあり、加齢変化での内耳のストレス反応と考えられる。eNOSはカベオリンにより細胞内で不活化されるが、カベオリンの内耳での発現を認め、内耳においてNOSの活性化および不活性化に関わるタンパクの発現が明らかとなった。
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Research Products
(18 results)
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[Presentation] Visualization of endolymphatic hydrops in patients with inner ear diseases2007
Author(s)
Teranishi, M., Hayashi, H, Sugiura, M., Katayama, N., Nakata, S., Sone, M., Naganawa, S., Nakashima, T
Organizer
9th Japan-Taiwan Conference in Oto-Rhino-Laryngolgy, Head and Neck Surgery
Place of Presentation
Sendai (Japan)
Year and Date
2007-11-10
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
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[Presentation] Intratympanic steroid application for idiopathic sudden sensorineural hearing loss as a salvage treatment2007
Author(s)
Teranishi, M., Yoshida, T., Hayashi, H., Iwata, T., Katayama, N., Nakata, S., Nakashima, T
Organizer
26th Politzer Society Meeting
Place of Presentation
Cleveland (USA)
Year and Date
2007-10-16
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
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[Presentation] Endolymphatic and perilymphatic space imaging in patients with inner ear diseases2007
Author(s)
Nakashima, T., Teranishi, M., Sugiura, M., Sone, M., Hayashi, H., Naganawa, S
Organizer
26th Politzer Society Meeting
Place of Presentation
Cleveland (USA)
Year and Date
2007-10-14
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
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