2005 Fiscal Year Annual Research Report
トキソプラズマ性網脈絡膜炎における血管病変の分子病態学的解析
Project/Area Number |
17591822
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野呂瀬 一美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30156244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青才 文江 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (80150316)
矢野 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20135122)
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Keywords | トキソプラズマ / 網脈絡膜炎 / 血管内皮細胞 / ぶどう膜炎 / 接着分子 / TLR / シグナル / 自然免疫 |
Research Abstract |
トキソプラズマ(以下T.gondii)は血行性、リンパ行性に全身に播種するが、血中から臓器への感染移行時の第一の関門は血管内皮細胞である。眼内では血液網膜関門(blood retinal barrier, BRB)が存在し、他の臓器の血管系とは大きく異なっている。トキソプラズマ性網脈絡膜炎(以下本症)は臨床的に網膜血管炎、動静脈閉塞、血管透過性亢進(BRBの破綻)、網膜新生血管を伴うことが多いことから、本症の発症機序には血管病変が大きな役割を演じていることが強く示唆されている。また、自然免疫系の受容体であるToll-like receptors(TLR)ファミリーを介したシグナルが獲得免疫の誘導やTh1/Th2バランス制御に深く関わっていることが明らかにされてきている。 そこで、今回、我々は、本症発症に及ぼすTLR2、TLR4、およびその下流のMyD88分子の機能解析をするため、以下の実験を行った。 野生型感染感受性C57BL/6マウス、野生型感染抵抗性BALB/cマウス、各々のバックグランドを持つインターフェロンガンマノックアウト(GKO)マウス(免疫抑制状態宿主の疾患モデル)、TLR2-/-、TLR4-/-、MyD88-/-マウスを用い、T.gondii Fukaya弱毒株のシストを各マウスに経口感染させ、経時的に眼球、脳、および血液を摘出し、眼球は実体顕微鏡下で、虹彩・毛様体、網膜、脈絡膜、視神経にそれぞれ分離しDNA、RNAを抽出した。現在、各種接着分子の発現を解析中である。
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