2007 Fiscal Year Annual Research Report
最新の画像技術と眼球運動解析を応用した視覚系と眼球運動系の病態評価法の開発
Project/Area Number |
17591824
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 峰夫 Niigata University, 医歯学総合病院, 講師 (60251807)
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Keywords | 核磁気共鳴画像 / FIESTAシーケンス / 視神経疾患 / 眼球運動解析 / ビデオ画像処理法 / 瞳孔反射 |
Research Abstract |
今年度は、核磁気共鳴画像MRIによるFIESTAシーケンスを、視神経を含めた眼窩疾患にも応用した。その例として、甲状腺眼症において、通常画像の上で区別の難しい上直筋と上眼瞼挙筋とを容易に分離して評価することができ、臨床兆候との対応を検討した。また甲状腺視神経症や眼窩筋炎に伴う視神経症などにおいて、眼窩先端部での視神経圧迫の状況を詳細に観察し得た。大理石病に伴う視神経症や脊髄視神経炎など、特殊視神経疾患についても検討を行った。これら3年間に蓄積した、主に視神経に関するデータを整理し、疾患特異的な障害パターンの詳細を系統的に検討を行った。現在画像処理ソフトによる視神経や眼筋の断面の定量評価の検討を行っている。眼球運動・瞳孔解析に関しては、種々の疾患における対光反射と近見反射の測定を行った。Adie瞳孔緊張症のほかにも、従来肉眼的観察しかなされていなかった輻輳痙攣の定量的眼球運動・瞳孔記録解析も行うなど、この装置を用いることによって外眼筋および内眼筋の異常をより的確に捉えることが可能となった。また回旋運動も解析可能なことから、近見視に伴う回旋成分の解析を行った。解析の結果従来の概念とは異なり、近見時の眼球外方回旋運動は視標が近くに停止してから固視を保つ時期に始まり、輻輳や調節とかなり独立的で近見固視の努力と関連していると考えた。調節微動の測定も行い、輻輳・調節の異常の包括的検討に至っている。
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