2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経保護評価に向けた網膜神経節細胞の細胞体と軸索の生体内定量的観察法の確立
Project/Area Number |
17591825
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東出 朋巳 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (20291370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 真司 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (90362003)
杉山 和久 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (80179168)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 生体内観察 / 走査レーザー検眼鏡 / ラット |
Research Abstract |
走査レーザー検眼鏡(SLO)によるラット網膜神経線維層(RNFL)の定量的評価-虚血再灌流モデルでの検討 BrownNorwayラットの右眼を加圧し45分間虚血状態とした。SLOによってRNFLが観察される屈折値の幅(ΔF)を経時的に決定した。ΔFは虚血再灌流後1週目から有意に減少した。SLOでのΔFは網膜組織切片でのRNFLの厚みと有意に相関した。したがって、虚血再灌流モデルにおいてもSLOがラットRNFLの生体内定量的評価に有用であることが示された。 SLOによるラット網膜神経節細胞(RGC)の定量性評価-視神経挫滅後のRGCとグリア系細胞の関連 視神経挫滅後のRGC数の定量に死滅したRGCの貪食によって染色されたミクログリアが影響する可能性がある。そこで、視神経挫滅前のSLO画像を白黒反転し、挫滅後のSLO画像と重ね合わせ、挫滅後に新たに生じた蛍光点を同定した。対照眼では新たな蛍光点はほとんど生じなかったが、挫滅眼では挫滅後1週目から多数の蛍光点が生じた。それらがミクログリアに由来するかを調べるために、SLOによる撮影後に網膜伸展標本を作製し、ミクログリアのマーカーであるisolectin B4で蛍光染色し、同一部位を蛍光顕微鏡で観察した。その結果、挫滅後に新たに生じた蛍光点の大部分はミクログリアの突起に対応していた。したがって、視神経挫滅後にSLOにおいて新たに生じる蛍光点はミクログリアに由来し、これを差し引くことでより正確なRGC数の定量が可能となると考えられた。 光干渉断層計によるRNFLの定量的評価の試み RNFLの評価をより客観的かつ精確に行うために,市販の光干渉断層計によるラット網膜断層像の描出を試みた。RNFL定量には解像度が不十分であったため、干渉幅のより狭いSLDを購入しそれを用いて高解像度化を図っている。
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Research Products
(2 results)