2005 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞と実験動物個体を用いた包括的かつ迅速な網膜神経節細胞治療の研究と臨床応用
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17591827
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
柏木 賢治 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (30194723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小暮 諭 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (40234736)
馬淵 正 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (80150308)
間渕 文彦 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (20322125)
前田 秀一郎 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10117244)
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Keywords | 網膜神経節細胞 / 網膜グリア細胞 / 動物実験モデル / 神経細胞培養 / グルタミン酸 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
1.網膜神経節細胞(RGC)障害に網膜グリア細胞が深く関与することや、グルタミン酸が多量に存在すると神経毒性を示すことをこれまで報告してきたが、今回の研究では、培養系を用いてRGCとグルタミン酸の代謝に重要な役割を果たす網膜グリア細胞に対し低酸素負荷を与えた際の、それぞれの細胞中の各種グルタミン酸トランスポーターの発現変化を検討した。その結果、RGC、網膜グリア細胞ともに主要なグルタミン酸トランスポーターが発現しているが、負荷に対してはRGCの発現変化は少ないのに対し、網膜グリア細胞では有意な変化を示した。またトランスポーターのサブタイプごとの発現変化を経時的に検討した結果、各種トランスポーターの発現が異なることも判明した。これらから、網膜グリア細胞におけるグルタミン酸トランスポーター発現はサブタイプによってまた負荷時間によっても異なることが明らかになり、今後のグルタミン酸の神経への影響を検討する上で重要な所見が獲られた。 2.これまで、サル眼を用いて眼圧上昇型の実験緑内障モデルでは、重要な神経骨格蛋白であるニューロフィラメント重鎖(NF-H)の発現量が低下するとともに通常軸索内ではリン酸化されているNF-Hが、緑内障モデルでは脱リン酸化が進んでいることを報告したが、この変化が緑内障性軸索障害の原因か結果か不明な部分があった。今回、実験的緑内障眼であるマウスコラーゲントランスジェニックモデルを用いて検討したところ、神経軸索量が減少するよりも以前にNF-Hのリン酸化が減少していることが判明した。これにより、緑内障性神経障害は神経の脱落以前に軸索障害が発症していることが新たに判明した。 3.新しい緑内障治療薬ですでに他疾患で臨床応用されている薬物の内、カルシウムチャンネル遮断薬である塩酸ロメリジンには、ラットRGCに対して網膜グリア細胞の存在下で生存促進作用があることが今回判明した。現在偏頭痛薬として臨床応用されている塩酸ロメリジンを用いて緑内障患者への臨床投与を行ってその効果を検討中である。
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Research Products
(7 results)