2006 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞と実験動物個体を用いた包括的かつ迅速な網膜神経節細胞治療の研究と臨床応用
Project/Area Number |
17591827
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
柏木 賢治 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (30194723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木暮 諭 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (40234736)
馬淵 正 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (80150308)
間渕 文彦 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (20322125)
前田 秀一郎 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (10117244)
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Keywords | 緑内障 / 網膜神経節細胞 / 培養実験 / 個体実験 / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
本研究においては、緑内障に代表される重篤かつ不可逆性の視機能障害を来す網膜神経節細胞を標的とした疾患の、障害機序の解明と新規の治療法の開発をin vivoとin vitroの実験系を用いて包括的かつ機能的研究することである。本年度の研究成果として、次の業績を得た。 1)NMDAの硝子体内投与による障害モデルや視神経切断モデルに対して、ラタノプロストを投与した際の神経保護作用に関して検討した。その結果、ラタノプロストは両障害モデルの網膜神経節を軽減することが確認できた。ラタノプロストはすでに臨床的に眼圧下降薬として使用されており、眼圧下降のみならず、他の機序による神経保護の可能性が示された。(業績論文1) 2)酸化ストレスによるアポトーシスは網膜神経節細胞死に深く関与すると考えられている画、これに関連すると報告されているアポトーシスシグナル調整キナーゼ1(ASK1)の網膜神経細胞のアポトーシスにおける関与をノックアウトマウスや培養網膜神経節細胞などを用いて検討したところ、ASK1がアポトーシスを介した網膜神経節細胞死に深く関与していることを明らかにした。(論文2) これらの研究成果により、網膜神経節細胞の障害機序をin vitroならびにin vivo両面から解明し、一部の神経保護作用機序を解明すると同時に、早期に臨床応用が可能な薬剤の有効性を証明することが出来た。今後、これらの成果を基にさらに、研究を継続する予定である。
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Research Products
(2 results)