2006 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障動物モデルによる新規薬物治療の開発と現在の緑内障診療の合理性の検討
Project/Area Number |
17591828
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山本 哲也 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50134581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 恭子 岐阜大学, 医学部付属病院, 助手 (80334936)
近藤 雄司 岐阜大学, 医学部付属病院, 講師 (20329486)
青山 陽 岐阜大学, 医学部付属病院, 医員 (80397330)
青山 裕美子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00222498)
末森 晋典 岐阜大学, 医学部付属病院, 助手 (80377663)
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Keywords | 緑内障 / 正常眼圧緑内障 / 神経保護 / 眼圧 / 視神経 / 視野 / 実験緑内障 |
Research Abstract |
基礎実験として、初年度の成果を発展させて他の薬物の神経保護効果を確認するとともに、緑内障動物モデルの確立に向けた実験を行った。また、臨床データ解析においては正常眼圧緑内障と原発開放隅角緑内障の眼圧変動と乳頭出血に関して統計的解析を行った。具体的成果を以下に記す。 神経保護治療動物実験:(1)カルシウム拮抗薬ロメリジンによる網膜神経節細胞に対する神経保護効果を、ラット実験緑内障モデルを用いて証明。(2)メタロチオネイン(内因性アンチオキシダント)によるNMDA誘導網膜神経細胞死の抑制をマウス眼で証明。(3)コバルトを用いた網膜視細胞層に選択性の高い新しい網膜神経細胞障害のモデルを確立。これら3研究はいずれも今後各種薬物等の実験系として用いうる緑内障実験モデルと考えられる。 緑内障臨床データ解析:(1)眼圧の大幅な下降と乳頭出血の関係を調べる目的で、正常眼圧緑内障並びに原発開放隅角緑内障の乳頭出血出現頻度を濾過手術前後で比較した。十分な眼圧下降により乳頭出血頻度が有意に減少することを示した。乳頭出血が日本人に多い正常眼圧緑内障に頻発すること、まだ出血の成因が不明であることから、今後、日本人の緑内障及び乳頭出血の成因を考える上で重要な成果である。(2)過去に報告のない多数例を対象とした眼圧24時間日内変動測定のデータを解析した。その結果、正常眼圧緑内障の疑われた症例のうち約5%が日内変動測定により眼圧上昇が証明され、原発開放隅角緑内障に診断名が変更となることが明らかにされた。また、正常眼圧緑内障症例の眼圧変動パターンの基礎データを確立した。
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