2007 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障動物モデルによる新規薬物治療の開発と現在の緑内障診療の合理性の検討
Project/Area Number |
17591828
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山本 哲也 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50134581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 恭子 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80334936)
近藤 雄司 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20329486)
青山 陽 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (80397330)
青山 裕美子 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00222498)
末森 晋典 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80377663)
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Keywords | 緑内障 / 正常眼圧緑内障 / 神経保護 / 眼圧 / 視神経 / 実験緑内障 |
Research Abstract |
基礎実験として、新規開発中のカルパイン阻害剤の網膜神経保護作用の検討をおこなった。NMDA局所投与で作成した網膜神経節細胞障害に対する同薬物の神経保護作用を証明することができた。このことは新しい薬物治療につながる可能性がある。また、各種緑内障薬のヒト培養結膜上皮に対する障害実験を行い、数種類の薬物で細胞増殖抑制作用の強いことを見出した。これは薬物の副作用回避のための重要な知見である。 臨床研究として、原発閉塞隅角緑内障、原発閉塞隅角症の予後解析を進めた。本症の予後を明らかにするとともに、周辺虹彩前癒着の範囲と視神経障害の程度が予後に大きく関与していることを示すことができた。このことは本症における視機能障害回避のためには早期診断の重要なことを改めて示すことでもあり、今後の失明予防の基礎となるデータと考える。こうしたデータを含めて、アジアの緑内障研究者と共同で原発閉塞隅角緑内障に関するモノグラフを刊行した。また、緑内障診断の基礎となる視神経乳頭の解析をより精確に進めるため、岐阜大学で開発中の新型立体眼底カメラによる視神経乳頭解析の新手法に関して検討し、正常眼圧緑内障の視神経評価に有用であることを証明した。加えて、従来から緑内障の機能異常評価に使用されている視野検査によらない新しい緑内障機能評価法として多局所ERGを行った。二次核反応の耳側と鼻側の正常眼における非対称性が緑内障眼で変化していることを示すとともに、その程度が視野異常と関連することを証明し、緑内障の新しい他覚的緑内障診断へ路を開いた。これは原発開放隅角緑内障(広義)による失明回避に役立つものである。
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