2006 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー性結膜疾患の病態における結膜-角膜の組織相関性の解明
Project/Area Number |
17591837
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
熊谷 直樹 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20234510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 憲 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70335751)
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Keywords | アレルギー性結膜炎 / 角膜 / ケモカイン / 接着分子 / サイトカイン |
Research Abstract |
アレルギー性結膜疾患では結膜における炎症反応と角膜上皮傷害が関連することが知られている。われわれはこれまで、角膜線維芽細胞はケモカイン産生、接着分子発現などを介して免疫系の細胞を活性化するアレルギー反応の増悪因子であり、角膜上皮細胞は涙液中の生理活性物質と角膜線維芽細胞の接触を物理的に遮断するアレルギー反応の促進因子であることを示してきた。 昨年度の本研究において、ラット実験的アレルギー性結膜炎モデルを用いて、1)角膜上皮剥離により結膜のアレルギー性炎症の即時相は影響を受けないが遅発相は好酸球浸潤などが促進されること、2)角膜上皮剥離により結膜における種々のケモカイン、接着分子の発現後亢進することを示した。 本年度は、この研究をさらに推し進めるために、1)角膜における種々の生理活性物質の産生の変化、2)アレルギー性炎症による角膜上皮創傷治癒の変化について検討した。1)角膜上皮剥離により、角膜内のTARC、RANTES,IP-10,MCP-1などのケモカインの産生が亢進し、またICAM-1、VCAM-1の接着分子の発現が亢進した。2)結膜にアレルギー性炎症を惹起することにより、角膜上皮の創傷治癒は遅延した。 以上の結果より、結膜におけるアレルギー炎症は角膜上皮の創傷治癒を遅延させまた、角膜上皮剥離により普段は殆どケモカイン産生や接着分子の発現がみられない角膜内の細胞が活性化して、アレルギーに関係する種々の免疫系の細胞を活性化するものと考えられた。
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