2005 Fiscal Year Annual Research Report
網膜の水チャンネル・アクアポリンによる黄斑疾患の治療
Project/Area Number |
17591841
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
北岡 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80234235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 一晃 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90284687)
築城 英子 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30363493)
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Keywords | アクアポリン / 網膜 / 網膜浮腫 / 糖尿病網膜症 / ミュラー細胞 / 凍結切片 / レーザー光凝固 / 網膜静脈閉塞症 |
Research Abstract |
アクアポリンは細胞膜に存在する水のチャンネル蛋白で、このチャンネルを通して水の移動が行われる。眼科領域では、涙液の産生・分泌に関係することが知られているし、房水の産生にも関係すると考えられている。以前の我々の研究で、アクアポリン4が網膜のグリア細胞であるミュラー細胞に存在することがわかっているが、このアクアポリン4の発現が、網膜の障害でどのように変化するかということが、各種網膜疾患の病態を考える上で重要になってくる。 網膜の障害として、レーザー網膜光凝固術を行った。Wistar Kyotoラットに50mW,100μm,0.2秒で網膜凝固を行った場合(ヒトでは200mW,200μm,0.2秒程度に相当すると考えられ、網膜に灰白色の凝固を生じる)、凝固直後より、アクアポリンは正常より発現が増強した。眼球を摘出し、網膜を凍結し、クリオスタットで凍結切片を作成、アクアポリン抗体で標識した後、蛍光顕微鏡で観察することで、発現の程度を評価した。凝固12時間から24時間で、蛍光強度は最高になった。その後約3日で、正常とほぼ同程度まで、減少した。レーザー網膜光凝固は、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症の網膜浮腫に対して行うが、今回の実験から、レーザー光凝固を行うことで、アクアポリンが誘導されることがわかった。今後レーザー光凝固の強度を調節することで、アクアポリンの誘導が最も効率良く行える条件を検索したい。また遺伝子導入によりアクアポリンの誘導が可能か検討する。
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