2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性網膜変性症の分子生物学的並びに電気生理学的研究
Project/Area Number |
17591843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
直井 信久 宮崎大学, 医学部, 教授 (50211412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中馬 秀樹 宮崎大学, 医学部, 助教授 (20244204)
中馬 智巳 宮崎大学, 医学部, 助手 (50320495)
河野 尚子 宮崎大学, 医学部, 助手 (00336306)
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Keywords | 網膜色素変性 / 遺伝子解析 / X連鎖性 / 網膜電図 / ERG / クリスタリン網膜症 |
Research Abstract |
日本人の失明原因として重要なものに網膜色素変性がある。その中でもX連鎖性網膜色素変性症は頻度は比較的少ないものの、若年発症で重症例が多いため社会的にも重要な疾患である。従来われわれはX連鎖性網膜色素変性症(XLRP)の原因遺伝子であるRPGR遺伝子に着目し解析を続けている。家族歴や症状からXLRPが疑われた互いに無関係の日本人26家系においてRPGR遺伝子を解析した。その結果日本人6家系においてエキソンORF15の変異を見出し、家系内において臨床所見と遺伝子変異が合致することを確認した。関東在住の日本人XLRP1家系の2人の男性患者において、大きな欠失が存在することを見出した。患者ではPCRによりエキソン1-11までが増幅されず、サザンブロッティングにおいてもシグナルが確認できなかった。エキソン12-19、ORF15では正常配列を確認した。欠失範囲をさらに特定するために各種プライマーを用いてPCRを行った結果、欠失の開始点はエキソン1の開始点より59から122bp上流の部位に位置し、終了点はエキソン12の開始点より114から325bp上流に位置することが判明した。この部位はRPGR遺伝子のRCC1 homology domainの大部分を含んでいる。今回の結果はRPGRタンパクの機能において、RCC1 homology domainの重要性を示唆するものであった。この結果を原著として公表した。また常染色体性劣性遺伝の網膜変性症であるクリスタリン網膜症患者においてCYP4V2遺伝子の解析を行い、一症例において今までに報告がないIVS6-8del17bp/ins2bpを認めた。この結果この症例では本遺伝子のエキソン7が欠失しているものと考えられ、生成されるタンパク構造に変化を来すと考えられた。本症例も夜盲、両眼の眼底には後極を中心として黄白色斑が散在する典型的な症例であった。電気生理学的所見も含め、現在原著を投稿中である。
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Research Products
(6 results)