2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591851
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石田 晋 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10245558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Keywords | 血管新生 / 免疫 / 血管内皮増殖因子 / 網膜 / 加齢黄斑変性 |
Research Abstract |
血管新生をきたす網膜疾患である加齢黄斑変性は、視力低下の原因として重要であり、その進行期では脈絡膜血管新生(CNV)が中心的病態となる。最近我々は、未熟児網膜症のモデルマウスを用いて病理的血管新生は炎症・免疫が関与する病態であり、macrophage系炎症細胞・細胞傷害性Tリンパ球(CTL)によって血管内皮細胞の増殖は正・負の調節を受けている可能性を示した。血管新生の病態において活性化された血管内皮細胞はVEGFR-2発現が亢進し、VEGFR-2はマウス腫瘍の免疫療法でもターゲットにされている。CNVの発育は、血管内皮増殖因子(VEGF)とその受容体(VEGFR-2)に依存していることがわかっている。そこで我々は、VEGFR-2を標的にしたCTLによって眼内血管新生が抑制されるという仮説のもとに、レーザー誘導CNVマウスモデルを用いて、VEGFR-2を標的にした免疫療法の確立を試みた。遺伝子銃によるマウスVEGFR-2全長cDNAの皮内投与では、CNVが抑制される傾向が得られた。そこで、ヒトVEGFR-2ペプチドによるエピトープ特異的な免疫誘導をHLA-A24トランスジェニックマウスに試みたが、CNVが抑制されるほどの効果は得られなかった。今後も、樹状細胞を用いるなどVEGFR-2を標的としたより効果的な免疫誘導につき、検討していく予定である。
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