2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
MURAT Dogru 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60385284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤島 浩 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80199314)
坪田 一男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40163878)
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Keywords | アトピー性結膜炎 / 杯細胞 / ドライアイ / 病体生理 |
Research Abstract |
我々はアトピー性皮膚炎に伴う眼表面の状態について様々な検討を行ってきたが、アトピー性皮膚炎では眼表面の上皮細胞が角化し角化のグレードと皮膚病の重症度、また角化のグレードと皮膚病の発症率の間に相関性があると報告した。我々はすでにアトピー性皮膚炎に伴うドライアイにおいてimpressiocytologyを用いて、結膜杯細胞密度が低下する杯細胞機能不全状態が原因であろうと示し数々の報告を行ってきた。またアトピー性疾患例の眼表面のムチン5AC(結膜杯細胞由来のムチン)の発現を定量した結果、ムチン5ACの発現が正常人に比較し低下することが分かった。これまでの研究成果を踏まえ免疫学的*細胞学的な検討を用いアトピー性疾患に伴う涙液の不安定性を解明する目的で眼表面の上皮の変化、特に眼表面より分泌されるムチンについて追加検討を行う為、今回アトピー性疾患例ならびに正常人の眼表面のムチン1,2,4,7,16の発現量の同定、アトピー性疾患眼に伴うドライアイの発症基準を進めた。今回我々はアトピー性疾患を有する18例36眼を対象に、涙液層破壊時間、角膜知覚検査、シルマーテスト、生体染色検査、インプレッション及びブラッシサイトロジーを行い、またRTPCRにて上記のムチンの発現量の違いについて詳細を検討した。アトピー性疾患例では涙液の安定性があきらかに悪くなっており、眼表面上皮にも高度な障害を認めた。また、RTPCR検査ではアトピー性疾患例においてMUC5ACmRNAの発現の低下、MUC124のmRNA発現の増加を認めた。さらにブラッシュサイトロジーでは眼表面上皮内に高度な炎症細胞浸潤が認められた。アトピー性疾患例では炎症が原因で杯細胞由来のMUC5ACmRNA発現量が減少し眼表面を守る為に上皮由来のMUC124が増加したと思われたものの、上記の変化は涙液の不安定性を起こしたと考えられた。今回の結果を2006年米国基礎眼科学会ARVOで発表する予定である。また現在までの内容を英文論文としてChnical and Experimental Allergyという英国の雑誌に投稿し現在査読中です。現在MUC7および16の免疫染色を行っていますがなかなかうまくいっていない。平成18年度は染色方法の改善の検討ならびにMUC7、16の発現量を検討する予定である。
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