2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591857
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
堀 純子 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60251279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 由紀 日本医科大学, 医学部, 助手 (30360176)
田中 花子 日本医科大学, 医学部, 研究生 (50318515)
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Keywords | 移植免疫 / 再生医療 / 免疫特権 / 副刺激分子 / 角膜移植 / 拒絶反応 / T細胞 / 抗原提示細胞 |
Research Abstract |
Programmed Death 1(PD-1)は、免疫寛容に関与することが示唆されてい免疫抑制性の補助刺激分子であり活性化T細胞表面に発現する。PD-L1(B7-H1)はPD-1リガンドの一つである 我々は角膜移植の免疫応答におけるPD-L1の発現と役割を解析したところ、マウスの正常角膜の内皮細胞と実質細胞はPD-L1を恒常的に発現しており、一方、角膜アログラフト移植後の拒絶反応においては浸潤T細胞がPD-1を発現していた。マウスの角膜移植宿主に抗PD-L1抗体を腹腔内投与したところ、対照のrat IgG投与群と比較して有意に生着が短縮し(p<0.006)全例拒絶された。このことから、角膜のPD-L1発現が角膜の免疫特権を維持する一つの因子であることが示唆された。さらに、アログラフト角膜内の浸潤細胞表面のT細胞マーカーとPD-1の発現を免疫組織化学で解析し、アポトーシスをTUNEL法で解析した結果、対照アログラフトは、術後2週にグラフト接合部実質と内皮面の浸潤細胞がアポトーシスになっており、4週には浸潤細胞はほとんど消失して、アログラフトは透明生着したのに対し、抗PD-L1抗体を投与された宿主のアログラフト角膜では、実質内と内皮面に浸潤したPD-1陽性CD4T細胞はアポトーシスにならず、4週には多数のT細胞が浸潤して角膜は混濁した。こうした結果から、角膜に発現するPD-L1は、アログラフト局所の浸潤T細胞にPD-1を介してアポトーシスを誘導し、攻撃細胞のperipheral deletionという機序で角膜局所において拒絶反応を制御していることが明確になった。
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Research Products
(5 results)