2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591857
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
堀 純子 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60251279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 由紀 日本医科大学, 医学部, 助手 (30360176)
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Keywords | 移植免疫 / 免疫抑制 / 副刺激分子 / 角膜移植 / 拒絶反応 / PD-1 / B7-H1 / アポトーシス |
Research Abstract |
【目的】T細胞表面の抑制性シグナル分子Programmed Death(PD)1のリガンドB7-H1は、角膜の内皮細胞に恒性発現し、浸潤細胞に細胞死を誘導して角膜移植後の拒絶反応を抑制することを昨年度に報告した。今年度は、角膜拒絶反応のin vitroモデルを作成し、B7-H1による免疫特権機構を解析し、炎症時における角膜表面のB7-H1およびT細胞表面PD-1の発現誘導を解析した。 【方法】マウス角膜を抗B7-H1抗体または対照IgGで前処理してからT細胞と共培養し、T細胞による角膜内皮細胞の障害をpropidium iodide染色で解析した。T細胞は同系、アロ、third partyの正常マウスと、同系やthird partyの抗原で免疫したアロマウスの脾臓から精製した。角膜と共培養後のT細胞のPD-1発現変化を解析した。また、インターフェロン(IFN)γ刺激後のヒトまたはマウス角膜と、角膜移植後の炎症時における角膜におけるB7-H1の発現変化を解析した。 【結果】B7-H1阻害されたマウス角膜は、抗原特異的T細胞およびthird party反応性T細胞による角膜内皮障害が対照角膜よりも有意に強く、アロやthird partyのnaive T細胞との共培養後の障害も対照より強かった。B7-H1はヒト角膜の全層およびマウス角膜の実質と内皮に発現し、IFNγ刺激により増強し、移植後にも増強した。正常角膜の上皮にB7-H1は未発現であるが、IFNγ刺激により発現が誘導された。T細胞表面のPD-1発現は角膜と共培養後に増強した。 【結論】角膜に発現するB7-H1は、抗原特異的な反応性T細胞のみならず活性化T細胞によるbystanderな障害も抑制し、さらには角膜局所でのnaiveT細胞への感作を抑制する。炎症時には角膜のB7-H1発現はさらに増強して組織障害を抑制する役割をもつ。
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