2005 Fiscal Year Annual Research Report
成長期広範小腸切除後の消化管運動機能におよぼすアルギニンの効果
Project/Area Number |
17591859
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
蛇口 達造 秋田大学, 医学部, 助教授 (00124644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 哲夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20004963)
吉野 裕顕 秋田大学, 医学部, 助手 (90182807)
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Keywords | 広範小腸切除 / アルギニン / 消化管運動 / 消化吸収 / マイクロダイアリシス / テレメーターシステム |
Research Abstract |
【目的】短小腸モデルで、残存回腸の運動機能と吸収機能に対するアルギニンの効果を明らかにする。 【方法】1)実験群はSD系4週齢雄ラットに近位側90%小腸切除を行い、回盲弁より5cm口側で切離・再吻合したラットを対照とし、各々にアルギニンあるいはグリシンを投与し4群を作成した。2)テレメータシステムを利用し消化管運動を非制御下に収録した。先ず、幅が4mmの1チャネルforce transducer (FT、マウス用)で回腸運動機能を収録した。送信器は腹腔内で腹壁に固定し、FTは吻合部から肛門側2cmに縫合固定した。24時間絶食後に6時間の消化管収縮運動の積分値を記録し基準値とした。その後24時間を1クールとし12時間実験食投与、12時間絶食を繰り返し72時間運動を記録した。実験食開始後に収縮波の積分値を求め、基準値を100として変化率を求め、motility Index (MI)として群間で術後3と6週に摂食時と絶食時の変化を比較した。3)3チャネルFTによる消化管運動の伝播に及ぼす効果の検討。4)吸収能は術後3週と6週目に、D-xylose50mgを経食道投与し、10時間蓄尿し尿中排泄量から吸収率を求め比較した。 【結果】1)絶食時でのMIの減少が短小腸モデルで認められた。2)吸収能は、4週齢、術後3および6週に測定した。アルギニン投与効果は術後3週で4週齢と同様の吸収能を示した。しかし6週での増大は認めなかった。3)消化管運動の伝播についての検討は装置上雑音が多く解析まで至らなかった。 【まとめ】短小腸モデルで吸収能におよぼすアルギニンの効果は3週以後認めなかった。消化管運動におよぼすアルギニン投与効果については実験数を増やした検討が必要である。3チャネルによる消化管運動の評価は、収録時の雑音が多く解析に更なる工夫が必要である。
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