2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591860
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金子 健一朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90335042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 久實 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60184321)
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (30378195)
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Keywords | 膵胆管合流異常 / 先天性胆道拡張症 / タンパク栓 / SDS-PAGE / Lithostathine / プロテオーム / 小児外科 |
Research Abstract |
膵胆管合流異常は膵管と胆管が長い共通管を形成する先天奇形で,タンパク栓が形成され共通管に詰まることにより、胆管・膵管内圧が上昇して症状を発現する。タンパク栓の形成機序を解明することが,本研究の目的である。本年度は,まず,得られたタンパク栓が本当にタンパクで構成されているか,赤外吸光分析にて確認した。4検体実施し,いずれもペプチド結合の吸収バンドをもち,タンパク質であることが証明された。次に,正常胆汁3検体と膵胆管合流異常患者3名の胆汁とタンパク栓を,同時にSDS-PAGE電気泳動によるタンパクの分離を行った。結果,患者胆汁は正常胆汁タンパク以外に多種類のタンパクを含有することが実証された。このタンパクは,膵液の胆道への逆流による膵液由来のものと考察された。タンパク栓は3検体とも同様のSDS-PAGEバンドパターンをもち,主に14kDaの分子量をもつタンパクで構成されていた。分子量からはこのタンパクは当初から予想していたとおりpancreatic stone protein(PSP,最近ではlithostahtineと呼ばれる)であると推察された。Western blotting法でこのタンパクがlithostathineであると確認する予定であったが,特異的抗体が入手不可能となったので,別方法を模索した。そこで,質量分析を用いたpeptide mass fingerprinting法(プロテオミクス)でタンパク栓の全タンパクを同定することを決定し,現在解析中である。
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Research Products
(1 results)