2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591860
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金子 健一朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90335042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 久實 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60184321)
田井中 貴久 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (30378195)
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Keywords | 膵胆管合流異常 / 先天性胆道拡張症 / タンパク栓 / Lithostathine / プロテオーム / 小児外科 / 病態 |
Research Abstract |
先天性胆道拡張症・膵胆管合流異常の腹痛や黄疸などの症状は,protein plugの形成により共通管が閉塞して生ずると考えられる。Protein plugの形成機序の解明が,本研究の目的である。前年度施行したprotein plugの電気泳動(SDS-PAGE)の結果を用いて,プロテオーム解析を試みた。各検体に共通してみられた分子量14kDaの極太いバンド,二番目に太い29kDaのバンド,6,10,27,66kDaの細いバンドをそれぞれ切り出し,トリプシンによるゲル内消化を行った。脱塩処理後,MALDI-TOF型質量分析計でマススペクトルを測定した。得られたペプチド質量データをMS-Fitにてデータベース検索を行い,peptide mass finger printing法によるタンパクの同定を行った。10,14,27,29kDaのバンドはすべてlithostathine(pancreatic stone protein)と同定された。6kDaのバンドはlithostahineと推定された。66kDaはアルブミンと同定された。拡張症におけるprotein plugはlithostathineで構成されていることが判明した。Lithostathineは膵液中に分泌されるタンパク(16kDa)で,トリプシンにより分解されて不溶性(14kDa)となり,二量体から四量体を形成し,自己集合して線維となる。拡張症では逆流した膵液に含まれるトリプシノーゲンが胆汁中で活性化されてlithostathineを分解し,形成された線維が凝集してprotein plugを形成すると考えられた。
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