2005 Fiscal Year Annual Research Report
反復気圧負荷による脳虚血障害に対する神経保護効果の研究
Project/Area Number |
17591890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
前川 聡一 愛媛大学, 医学部, 講師 (50284419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相引 眞幸 愛媛大学, 医学部, 助教授 (70148162)
白川 洋一 愛媛大学, 医学部, 教授 (90134600)
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Keywords | 気圧負荷 / 虚血神経障害 |
Research Abstract |
虚血中枢神経障害のモデル作製を中心に平成17年度の研究を行った。 反復気圧負荷に耐えうる安定した動物実験モデルとして、従来の脳虚血モデルから脊髄虚血モデルへ発展させることとし、虚血負荷として持続圧迫を用いたラットでの神経障害モデル作製を試行した。 【本年度の実験および次年度以降の計画】 ハロセン麻酔下に250gのWistar系ラットの胸椎弓を切除し、脊髄硬膜の上から20gの重錘で20分間圧迫を行い虚血神経障害を再現した。この負荷により脊髄内に挫滅や出血を起こさないような軽度の損傷を生じさせることが可能であった。また、圧迫時間を変えることにより、障害程度を変えた神経障害モデルを作り出すことができた。 Morino等によると、このモデルでの軽度神経障害は、組織学的には従来のモデルのような組織内出血のような強い変化は起こらないとされ、受傷24時間後ではコントロールと組織変化はほとんどなく、行動学的にも(脊損ラット立ち上がり時間)コントロールとの有意な差は見られないとされる。しかし、48時間後から、脊髄灰白質を中心にマイクログリアの増殖とともに行動学的な異常が生じ、72時間後をピークとして、受傷後1週間まで持続すると報告されている。つまり、この神経障害モデルでは、脊髄への一過性の虚血後の2次的な反応としての神経障害を再現できていると考えられる。次年度以降は、この実験モデルでの、反復気圧負荷の影響を研究するための障害程度を規定するための実験を追加する。 (参考文献;Delayed neuronal damage related to microglia proliferation after mild spinal cord compression injury. Morino, T.,et al.,Neuroscience Research,2003,vol.46,pp 309-318)
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