2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生時のカルスにおける結合組織増殖因子CTGFの発現分析と骨再生促進への応用
Project/Area Number |
17591908
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山合 友一朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00158057)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 徹 就実大学, 薬学部, 教授 (30243463)
|
Keywords | 破骨細胞 / 内軟骨性骨化 / 肥大軟骨 / SF / HGF / c-Met / アポトーシス / CTGF / マウス |
Research Abstract |
CTGF遺伝子のノックアウトマウスの後期胚で骨形成部位を詳細に検討した結果、肥大軟骨細胞にCTGFが発現するとアポトーシスが起こり、そこへ向かって破骨細胞が集中するというメカニズムが働いている可能性が示唆された。即ち、破骨細胞の動向が内軟骨性骨化に影響を与える可能性が示された。一方、CTGF同様多機能で知られる肝細胞成長因子SF/HGFは器官培養骨の成長を促進すると報告されている。そこで今回、SF/HGFの受容体として知られるc-Metのノックアウトマウスを用い、内軟骨性骨化部位を中心にTRAP染色によって破骨細胞の配置を比較検討した。c-Met遺伝子をノックアウトすると体節の筋節細胞の移動が起こらないうえ、発生中期まででほとんど死滅するため、骨形成の観察には適さないが今回は、胎盤の栄養芽細胞を4n化することによってレスキューすることを目的に2細胞期の受精卵を集め、60Vの直流パルスで細胞融合した受精卵を用いて17日胚まで発生を進行させたものを用いた。c-met-/-の骨形成は全体的に野生型より若干遅めであったものの、骨形成そのものは起こった。肥大軟骨のアポトーシス部位には野生型のように破骨細胞が集中することは無く、破骨細胞は数も少なく骨梁形成部位にかけて散在する傾向が強かったことはctgf-/-に近似していた。また、臼歯や切歯歯胚の周囲における破骨細胞の配置には大差は無かったが、破骨細胞数は少な目であった。これもctgf-/-と同様であったが、歯胚の形態は正常であった。頭頂骨の骨梁は骨膜内に形成されたものの、骨梁数は野生型より少なかった。以上の観察結果から、仮にc-met-/-がこのまま成長すればctgf-/-のような異常な長管骨の形成が推測され、破骨細胞の数や動向が骨形成の鍵を握っている可能性が示唆された。
|