2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591910
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70237535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 教之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90085770)
GUNDUZ Mehmet 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70333507)
辻極 秀次 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70335628)
玉村 亮 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00403494)
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Keywords | 歯原性腫瘍 / ヘパラナーゼ / エナメル上皮腫 / 免疫組織化学 / In situ hybridization / 蛋白発現 / 細胞分化 / ヘパラン硫酸 |
Research Abstract |
ヘパラナーゼはヘパラン硫酸特異的エンドβ-D-グルクロニダーゼである。ヘパラン硫酸プロテオグリカンは組識の細胞表面と細胞外マトリックスに存在し、細胞接着や増殖因子の受容体として機能する。本年度は,良性および悪性歯原性腫瘍におけるヘパラナーゼの発現に加え,ヘパラナーゼが特異的に分解するヘパラン硫酸およびヘパラン硫酸結合性サイトカインであるBMP-4について検討した。 歯原性腫瘍としてエナメル上皮腫,腺様歯原性腫瘍,エナメル上皮線維腫,エナメル上皮癌を用いた。一次抗体として抗ヒトヘパラナーゼ抗体(中島元夫博士より供与)を用いた。ISHには約600bpのジゴキシゲニン標識mRNAプローブを用いた。 エナメル上皮腫では全ての症例においてヘパラナーゼ蛋白および遺伝子発現を認めた。特に腫瘍胞巣辺縁部の高円柱状細胞において強い蛋白の局在および遺伝子発現が認められた。また,腫瘍細胞が歯提様に増殖する部位や浸潤先端部において強い発現がみられた。腺様歯原性腫瘍においても多くの細胞で蛋白および遺伝子発現を認めた。エナメル上皮線維腫では不規則な染色性を示した。エナメル上皮癌では極めて強い蛋白発現を認めた。 ヘパラン硫酸とBMP-4は良性歯原性腫瘍では,ヘパラナーゼと類似した局在を示し,ヘパラナーゼによりサイトカインの調節が行われていることが考えられた。エナメル上皮癌では腫瘍実質ではヘパラン硫酸は消失し,腫瘍間質を含めたサイトカインの過剰な作用が行われていると考えられた。ヘパラナーゼは歯原性腫瘍において特異的な発現を示し,ヘパラン硫酸とヘパラン硫酸結合性サイトカインの調節により,その浸潤や細胞の分化に関与する可能性が示唆される。
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Research Products
(21 results)