2006 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞性骨吸収過程の小胞輸送におけるPI3-キナーゼの機能解析
Project/Area Number |
17591917
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
西嶋 克司 九州大学, 歯学研究院, 助手 (00136508)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (60253457)
田中 輝男 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60077667)
|
Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収 / 小胞輸送 / PI3-キナーゼ / 膜タンパク |
Research Abstract |
マウス骨髄細胞より分化誘導した細胞を破骨細胞様細胞(osteoclast-like cells, OLCs)として本研究に使用した。horseradish peroxidase (HRP)を添加し(30分もしくは60分)、OLCs内でのエンドソームとの局在関係を蛍光二重染色法にて解析した。初期エンドソームのマーカーとしてcarly endosome assosiate protein 1(EEA1)を、後期エンドソームのマーカーとしてIysosomal assosiate membrane protein 2(LAMP2)を用いた。酸向性プローブN-(3-((2,4dinitrophenyl)amino)propyl)-N-(3-aminopropyl)methylamine dihydrochIorideは酸性環境下でのdinitrophenyl (DNP)の形成を利用してエンドソーム内の酸性度を検索した。HRP添加後30分ではHRP陽性エンドソームとLAMP2陽性またはDNP陽性エンドソームとの局在は一致していなかった。HRP添加後60分ではHRP陽性エンドソームとLAMP2陽性またはDNP陽性エンドソームは同一エンドソームとして観察された。また、LAMP2陽性エンドソームとDNP陽性エンドソームとの共存関係も認められた。いずれの作用時間でもHRP陽性エンドソームとEEA1陽性エンドソームの共存関係は認められなかった。また、DNP陽性エンドソームとLAMP2陽性エンドソームとの共存関係も認められたが、EEA1陽性エンドソームとは局在は一致していなかった。加えて、LAMP2陽性エンドソームとEEA1陽性エンドソームとの共存関係も認められなかった。この膜動態過程におけるphosphatydil inositol 3 kinase (PI3-kinase)の関与を解明するために、PI3-kinase inhibitorであるwortomannin (WT)で予め処理したOLCsにHRPを添加した。HRP添加60分群において、HRP陽性エンドソームとLAMP2陽性またはDNP陽性エンドソームとの共存関係が解消され、各々独立したエンドソームに局在していた。その他の実験群は、WT未処理群と同じ結果が観察された。現在、取り込まれたHRPとcathcpsin Kならびにcystatin Cとの局在関係ならびにこの膜輸送過程でのPI3-kinaseの関与を検索中である。以上の事から、破骨細胞内にトランスサイトーシスにより取り込まれたHRPは、酸性環境である後期エンドソームに輸送される事が示された。さらに、この後期エンドソームヘの輸送過程においてPI3-kinaseが関与している事が示された。
|