2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔自然免疫MPIの歯周病原性細菌感染制御に関する解析
Project/Area Number |
17591921
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
根本 優子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (10164667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 重信 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (10177917)
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Keywords | 自然免疫系 / MPI / 抗菌活性 |
Research Abstract |
本研究課題では,口腔における自然免疫系の1つと考えられる粘液プロテアーゼインヒビター(MPI)に着目し,MPIの口腔細菌感染の制御機構と加齢による口腔MPI量の変動について明らかにすることを目的とし,以下の検討を行い成果を得た. 1.リコンビナントMPI発現系の構築 ヒトおよびマウス培養細胞よりRNA分画を精製し,MPI遺伝子をRT-PCRで増幅した.ついで,それぞれのプロタンパク質及び成熟タンパク質に対応するDNA断片を精製し,発現プラスミドに組み込み,pQE32-hMPI及びpQE32mMPIを作成した.これらのプラスミドでEcherichia coli BL21株をトランスフォーム後,0.2mM IPTG,30℃,6時間の誘導条件によりリコンビナントタンパク質を発現するE.coli菌株を選択した.培養後,菌体を凍結・融解サイクルにより溶菌し,その可溶性画分からTalonアフィニティクロマトグラフィー,たいでMono Sを用いたFPLCによりリコンビナントタンパク質を精製した.可溶性画分からの収量はおよそ1mg/L cultureであったが,発現タンパク質の多くは封入体を形成することが明かとなった. 2.細菌に対するMPIの作用の検討 歯周病原性細菌に対する作用を検討するに先立ち,まず,E.coli及びStaphylococcus epidermidisに対するMPIの作用を検討した.一定量のこれら細菌と各種濃度の精製rMPIを37℃,30分間インキュベートし,生菌数を測定した.その結果,これらの細菌の生菌数はrMPIの濃度に依存して30〜40%減少した.また,その抑制効果はグラム陰性菌であるE.coliでより顕著であった.これらの結果より,MPIは未知の機構による静菌的あるいは殺菌的作用を有することが示唆された.
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Streptococcus anginosus induced nitric oxide synthesis by murine peritoneal macrophages without help of IFNγ.2005
Author(s)
Yamaura, C., Sasaki, M., Ohara-Nemoto, Y., Tajika, S., Shimoyama, Y., Kimura, S.
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Journal Title
Interface Oral Health Science
Pages: 203-204