2006 Fiscal Year Annual Research Report
オステオプロテゲリン遺伝子ノックアウトマウスをモデルに用いた骨代謝研究の新展開
Project/Area Number |
17591924
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
馬谷原 光織 昭和大学, 歯学部, 助手 (30384184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 直之 松本歯科大学, 大学院歯学独立研究科, 教授 (90119222)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 歯学 / 病理学 / 骨代謝学 |
Research Abstract |
オステオプロテゲリン遺伝子欠損(OPG(-/-))マウスは、成長軟骨板の破壊を含む重篤な骨量の減少をきたす。研究代表者らはOPG(-/-)マウスを用いて、長管骨の破壊された成長軟骨板および骨梁骨に存在する破骨細胞の分化と微細構造明らかにすることを試みた。 OPG(-/-)マウスでは、成長軟骨板における破軟骨細胞の異常な局在に起因した、石灰化軟骨のコアを欠く一次海綿骨梁が成長軟骨板に隣接して形成されていた。骨幹端の骨化中心では、TRAP陽性の破骨細胞がII型コラーゲン陽性の軟骨およびI型コラーゲン陽性の骨基質上に存在した。軟骨基質上に認められた破骨細胞は典型的な波状縁を欠くが、吸収窩を形成していた。成長軟骨板の破壊が認められた領域においては、破骨細胞は残存した軟骨の表面に添加された骨基質に対して波状縁を形成していた。これらの所見から、OPG(-/-)マウスにおいて破骨細胞は軟骨もしくは骨基質に依存して、その構造が異なることが示唆された。 次に、研究代表者らはOPG(-/-)マウスにおける海綿骨梁の構造と破骨細胞の分化に対するOPG投与の効果を検討した。OPG(-/-)マウスにOPGを投与した結果、骨梁骨の減少を有意に抑制し、かつ海綿骨梁の構造を維持したが、骨梁骨上の破骨細胞数は減少していなかった。大部分の破骨細胞に対してOPG投与は波状縁の消失または未成熟を引き起こしたが、破骨細胞のネクローシスやアポトーシスには影響しなかった。これらの結果から、代謝性骨疾患において、OPG投与は破骨細胞による骨吸収を抑制することによって正常な海綿骨梁の構造と骨梁骨の体積を維持する効果的な手段であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)