2007 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子解析ならびにプロテオミクスによる出生前の歯乳頭に潜在する歯牙形成機構の解明
Project/Area Number |
17591926
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
村松 敬 Tokyo Dental College, 歯学部, 講師 (00276982)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 仁 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80265165)
河野 葉子 昭和大学, 歯学部, 准教授 (40195681)
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
|
Keywords | 歯牙形成 / 歯胚 / 歯乳頭 / Adamts4 / Aldhla2 / PlexnC1 / 遺伝子解析 / in situ hvbridization |
Research Abstract |
再生医療は発生生物学を中心とした形態形成メカニズムの研究に基づいて行われており、歯牙再生においても歯牙発生の研究が基礎となる。しかし皮膚や骨とは異なり、歯牙発生においては外胚葉性組織(歯原性上皮)と外胚葉性間葉という発生由来が異なる数種類の細胞の複雑な誘導的相互作用によって、歯胚の形態やこれを構成する細胞の分化を制御しているため、再生させるのが難しく、現在までに完全な歯牙再生は実現されていない。歯原性上皮と間葉の相互作用の研究として、PalmerとLumsden(1984)は胎生16日のマウス臼歯歯原性上皮と胎生16日のマウス臼歯歯乳頭を別個体から摘出、組合わせて腎被膜下に移植すると歯牙が形成されるが、同上皮と生後3目の臼歯歯乳頭を合わせて腎被膜下に移植しても歯牙が形成されず、骨様硬組織が形成されたと報告している(Arch Oral Biol 32:281-289,1984)。このことより歯牙形成に関与する遺伝子が胎生16日から生後3日の問に歯乳頭において消失されたことが推測される。本研究ではこれを検証するために、出生前後のマウス臼歯歯乳頭からRNAを抽出し、マイクロアレイにて比較検討し、出生前後で高発現あるいは消失した遺伝子を検索することを初年度の目的とした。その結果、出生前後の歯乳頭においては2924種類の遺伝子が減少することが明らかとなった(Muramatsu, et. al.J Hard Tissue Biol 2005)。2年目には減少した遺伝子を詳細に検討したところ、Adamts4、Aldhla2、PlexnC1が著明に減少しており、定量的リアルタイムRT-PCR法で検討したところ、出生後にはAdamts4では約1/3に、Aldhla2では1/13に、Plexnc1では1/3まで減少することが確認された。これらの結果をもとに今年度はRNAの局在をin situ hybridizationで確認した。その結果、いずれの遺伝子も胎生期には歯乳頭細胞や象牙芽細胞に局在が認められたものの、出生後はその発現が消失していることが確認された(佐々木ら 第48歯科基礎医学会)。現在、この結果をまとめてJ Dent Resに投稿中である。
|
Research Products
(2 results)