2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入フィーダー細胞を用いた外分泌腺幹細胞培養法の確立および治療への応用
Project/Area Number |
17591930
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
美島 健二 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (50275343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
井上 裕子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50367306)
坪田 一男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40163878)
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Keywords | 唾液腺 / 再生医療 / 口腔乾燥症 / SP細胞 |
Research Abstract |
GFPトランスジェニックマウスの唾液腺からSP細胞およびMP細胞を採取し、15Gyの放射線照射により唾液分泌障害を誘導したマウスの当該腺組織に移入した。移入後4週、8週に1mg/kgのピロカルピン投与により刺激時の唾液流出量を測定した結果、SP細胞を移入したマウスでMP細胞および対照としてPBSを移入したマウスに比較して有意に唾液量の回復が認められた。さらに、SP細胞を移入した唾液腺におけるGFP陽性細胞の存在を確認する目的で、TRITC標識マウス抗GFP抗体を用いた蛍光抗体法を行った。移入組織におけるGFP陽性細胞は認められたものの、その数は少なく散在性に存在するのみであった。従って、唾液分泌機能の回復は、移入したSP細胞自身により新たに構築された腺組織によるものではなく、SP細胞の分泌する液性因子を介した残存腺組織の分泌能の回復によるものと考えられた。前年度までに、SP細胞に特異的に発現する因子の一つとして、クラステリン蛋白が同定されており、本因子がSP細胞から分泌される液性因子として細胞障害を抑制する機能を有するか否かを検討した。すなわち、平成17年度に樹立されたクラステリンを恒常的に発現するマウス線維芽細胞株(STOClu)とコントロールの細胞株(mockSTO)を用いてクラステリンの機能を解析した。放射線照射による細胞障害は活性酸素種(ROS)を介したものであることが知られているので樹立した細胞株それぞれに過酸化水素刺激を加えた後、細胞内の活性酸素種(ROS)量をROS感受性蛍光色素であるCM-H_2DCFDAを用いて、また、生細胞数をトリパンブルー染色により評価した。その結果STOCluで、有意に細胞内ROS量が低下し、生細胞数の増加も認められた。従って、SP細胞はクラステリンなどの液性因子を介して残存腺組織障害を抑制する可能性が示唆された。
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