2008 Fiscal Year Annual Research Report
「ヒトパピローマウイルスの口腔病理学」に基づいた細胞の寿命制御
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17591931
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
寺井 政憲 National Research Institute for Child Health and Development, 生殖医療研究部, 共同研究員 (70359917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 国立成育医療センター(研究所), 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
秦 順一 国立成育医療センター, 名誉総長 (90051614)
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / ウイルス |
Research Abstract |
昨年度から引き続きヒト骨髄間葉系幹細胞の寿命を腫瘍化させずに延長できる系としてHPVの実験系を臍帯血・月経血・末梢血由来の間葉系幹細胞について応用してきた。細胞株の樹立に成功した臍帯血・月経血・末梢血由来の間葉系幹細胞を使って、確実な分化方法の確立に努めた。樹立された初期培養細胞株ならびに寿命延長に成功した細胞株に関するバイオロジーを造腫瘍性実験、マイクロアレイで検討してきた。さらに臨床応用へ向けて細胞にダメージを伴わない遺伝子導入法による細胞延命増殖についてもPTDタンパクを使ったテロメラーゼの活性化などの可能と考えられる様々な方法を種々の正常組織に応用してきた。 また遺伝子導入を伴わない手法、DNA複製時においてもテロメアの長さを維持し、かつ遺伝子発現も定常化したままで細胞分裂を続けさせるための、ストレスフリーの状態を作り出すべく培地の開発、および臨床応用へ向けた血清フリーの培地開発にも着手してきた。 多分化能を有するヒト由来間葉系幹細胞(骨髄、臍帯血、月経血、末梢血など)については、寿命延長ならびに目的とする組織への最終分化させる手段を開発してきた。さらに皮膚、眼、歯牙組織、骨、軟骨、膵β細胞、肝臓などの実質臓器については構成組織、成分ごとの細胞の培養法、増殖法を確立してきた。将来的には、膵β細胞などの内分泌細胞については機能を損なわずに細胞数を確保することを目標にしていく。 腫瘍化や染色体異常等を伴わないこと、さらに現在実験段階において行なっているウイルスを用いた遺伝子導入に変わる手段を開発することで細胞移植による再生医療の安全性を保証し、多くの患者に再生医療を臨床応用可能な段階へ医療全体、社会全体を導いていく。
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