2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規骨吸収リスクファクターとして同定した短白の歯槽骨破壊に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
17591932
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
新飯田 俊平 国立長寿医療センター, (研究所)・運動器疾患研究部, 室長 (10137630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 佐和子 国立長寿医療センター, (研究所)・運動器疾患研究部, 研究員 (90399593)
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Keywords | ガンマGTP / 破骨細胞 / 炎症性サイトカイン / 歯周病菌 / 歯周病 / RANKL |
Research Abstract |
最近我々は、新規の骨吸収因子として同定したγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)を同定した。さらに、GGTが歯周炎において発現亢進していることを見出した。そこで、ラット腎臓から精製したGGTおよび遺伝子組換え技術で作製・精製したヒト型GGTをラット歯肉溝から投与した。その結果、歯槽骨表面には多数の破骨細胞誘導が観察され、骨吸収も観察された。次に、これまでの成果からGGTは破骨細胞形成に必須のRANKLの発現亢進を惹起することが示唆されていたので、GGT刺激後の骨髄間質系細胞の発現する遺伝子についてDNAマイクロアレイ法で解析した。その結果、炎症性サイトカイン群IL-1α/1β、IL-6、MIP-1などの発現上昇が検出された。DNAマイクロアレイ解析の結果に基づいて、RT-PCR法により確認を行ったところ、IL-6 mRNAの顕著な発現上昇があった。また、血球系の細胞をGGTで刺激したところ、IL-1βおよびMIP-1のmRNAの発現上昇が認められた。これらのことから、GGTは炎症性のサイトカイン発現を介してRANKLの発現を亢進させている可能性が示された。 一方、歯周炎におけるGGTのソースについて検討を進めた。歯周病菌の菌株を培養し、GGT基質を用いた既存のGGT測定法による検討を行ったところ、P.gingivalis、P.intermedia、B.nucleatumなどの主要な原因菌がGGTを発現していることが示された。既知の細菌GGT遺伝子とヒトGGT遺伝子を対比させると、30%以下の相同性しかないことが明らかになったが、これらのGGTがヒトやラットのGGTと同様に破骨細胞誘導活性をもつかどうかを明らかにすることは、歯周病の病態を理解する上で重要な研究になるとものと期待できる。
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