2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟骨血球系の統合形成におけるトランスモジュレーターとしてのCCN2の役割
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17591938
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90221936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30322233)
青山 絵理子 岡山大学, 歯学部, 教務員 (10432650)
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Keywords | CCN2 / CTGF / 骨髄 / 軟骨 / 血球 |
Research Abstract |
1.骨髄組織および血球系細胞におけるCCN2の産生状況と分布の解明 CCN2産生および標的細胞の特定:細胞株を用いた昨年度に引き続き、血小板に大量に含まれるCCN2の産生細胞を明らかにすべく、今回末梢血よりヒト血球系幹細胞を分離し、そこから可能な限り分化誘導を進めて得た正常巨核球によるCCN2産生を検討した。その結果in vitroで誘導しうる分化の最終段階で、巨核球によるCCN2のmRNA発現を確認することができた。ただし同条件下ではCCN2タンパク質産生量は検知限界以下で、この所見は最終的に血小板に含まれる大量のCCN2を説明する証拠としては十分ではない。現在間葉系、上皮系細胞との相互作用を考慮しつつ研究を引き続き進めている。 骨髄血球系のCCN2標的候補細胞に対するCCN2の与える効果の解析:破骨細胞は単球マクロファージ系血球細胞から分化するが自身はCCN2を産生しない。一方それがCCN2の標的細胞である可能性が本研究の一環で明らかになった。すなわちマクロファージにシグナルを与えて破骨細胞への分化を促す間葉系細胞でCCN2産生をノックダウンしてしまうと、破骨細胞の形成が抑制されるのである。これはCCN2が乳癌の骨転移を促進する事実とも符合し極めて興味深い。 2.CCN2と骨髄の他の機能分子(サイトカイン、成長因子など)との相互作用の解明 前年度得たCCN2を構成する4つのモジュールに結合するペプチド配列データから、in silico解析によってモジュール毎の特異的結合ペプチドモチーフの抽出を試みた。得られたモチーフに基づき結合タンパク質の予測を行うとともに、合成ペプチドを試作してそのCCN2機能に対する影響を検討したところ、抑制活性を呈するものが認められた。現在これら所見を基礎研究、臨床研究に展開すべく計画中である。
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