2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌の産生するプロテアーゼの膜輸送システムの解明
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17591942
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡元 邦彰 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10311846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 有三 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20014128)
西下 一久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20237697)
坂井 詠子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10176612)
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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Keywords | Arg-gingipain / cysteine proteinase / Lys-gingipain / periodontal disease / Porphyromonas gingivalis / transport |
Research Abstract |
歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalis(P.g.)の産生する2つのシステインプロテアーゼRgpとKgpは歯周疾患の発症および進行に重要な役割をしていると考えられている。これら2つの酵素はプロテアーゼドメインと血球凝集素ドメインの2つの機能ドメインをもつ構造上類似した酵素である。我々は、前回P.g.内でのKgpの発現法を確立し、Kgpの活性中心は248番目と249番目のシステインが重要であることを明らかとした。今回はまず、Kgpの機能面での回復を確かめるために、Kgpによるヘモグロビン結合タンパク質(HGP15)のプロセシングを調べた。Kgpの欠損変異体でほ正常にプロセシングされないためにHGP15の抗体によって目的の位置にバンドを認めることができなかったが、Kgp発現体ではHGP15の正常なプロセシングが認められた。前回の黒色色素能の回復とともにリコンビナントKgpは野生株と同等の機能をもつことが確かめられた。一方、活性中心に関しては、2つのシステインをなくすとウエスタンブロット法ではKgpの免疫反応物が認められるものの、この変異体には活性が認められないことから、これらのどちらか、あるいは両方がKgpの活性に必要であることを明らかとした。そこで、さらにそれぞれのシステインをアラニンに置換したコンストラクトを作製することを試みたところ、248番目のシステインをアラニンに置換したもの、249番目のシステインをアラニンに置換したもの、の両方にKgp活性が認められた。すなわち、両方のシステインが活性中心として機能しうることが考えられた。今後は、さらに構造解析を進め、血球凝集素ドメインのKgp輸送における役割、およびにプロドメインの役割についても解析を加えていきたい。
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Research Products
(4 results)