2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌の産生するプロテアーゼの膜輸送システムの解明
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17591942
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡元 邦彰 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (10311846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西下 一久 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20237697)
坂井 詠子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10176612)
中山 浩次 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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Keywords | Arg-gingipain / cysteine proteinase / Lys-gingipain / periodontal disease / Porphyromonas gingivalis / transport |
Research Abstract |
歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalis (P.g.)の産生する2つのシステインプロテアーゼRgpとKgpは歯周疾患の発症および進行に重要な役割をしていると考えられている。これら2つの酵素はプロテアーゼドメインと血球凝集素ドメインの2つの機能ドメインをもつ構造上類似した酵素である。我々は、P.g.内でのKgpの発現法を確立し、Kgpの活性中心は248番目と249番目のシステインが重要であることを明らかとし、また、Kgpの欠損変異体にKgpを発現させた系において、ヘモグロビン結合タンパク質(HGP15)のプロセシングが回復していることも明らかとした。前回の黒色色素能の回復とともにリコンビナントKgpは野生株と同等の機能をもつことが確かめられた。一方、活性中心に関しては、2つのシステインのどちらか一方をアラニンに置換したコンストラクトを作製することを試みたところ、248番目のシスティンのみをアラニンに置換したものには酵素活性が認められ、タンパク質も発現していたが、249番目のシステインのみをアラニンに置換したものではタンパク質としては発現していたものの、酵素としての活性は認められなかった。すなわち、248番目のシスティンがKgpでは活性中心として機能していることが明らかとされた。また、C末端側をいくつかのサブドメインで欠損させた変異体を作製し、その発現や酵素活性を調べたところ、活性としてはやや野生株と比べて低いものの、正常な分子型で発現しており、それらのプロセシングに大きな違いは認められなかった。今後は、より細かく分画することで、C末端側のサブドメインの役割について調べていきたいと考えている。
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