2005 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺におけるIP_3/Ca^<2+>シグナリングの時空間パターンの可視化解析
Project/Area Number |
17591946
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
東城 庸介 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90111731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 明彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (70217149)
森田 貴雄 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (20326549)
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Keywords | 唾液腺 / カルシウムイオン / イノシトール三リン酸 / カルシウムシグナル / GFP / 蛍光イメージング / FRET |
Research Abstract |
我々は、FRETを利用したIP_3蛍光分子センサーLIBRAを開発し、IP_3の細胞内動態の解析を試みている。本年度は改良型LIBRAを作成すると共に、唾液腺細胞におけるLIBRA遺伝子の導入を試みた。 1.改良型LIBRAの作成。従来型のLIBRAはFRET効率が小さく、pHによって蛍光強度が変化するなどの欠点がある。そこで、蛍光アクセプターであるEYFPをよりpHに安定なVenusに置換し、蛍光ドナーであるECFPをより蛍光強度が強いCeluleanに置換した。また従来型はタイプ3のIP_3受容体リガンド結合ドメインを使ったが、改良型ではIP_3感受性がより大きいタイプ2のリガンド結合ドメインを使った。さらにCeluleanあるいはVenusとリガンド結合ドメインをつなぐリンカーの長さを調節し、蛍光変化率の向上を試みた。その結果、蛍光変化率は約50%上昇し、従来型に比べて約3倍の蛍光変化率を有する改良型LIBRAを作成した。 2.ラット耳下腺腺房細胞の初代培養の試み。トリプシン及びコラゲナーゼ処理によりラットの単離耳下腺細胞を調製した。DMEM-F12メデイウム中で培養した。培養6時間では形態的変化はほとんど見られず、単離直後と同様の形態的極性を有していた。培養2日目では多くの細胞が極性を失っていたが、比較的正常な形態を保った細胞も少数見られた。fura-2を使って[Ca^<2+>]iを測定したところ、2日目の細胞でもアゴニストに十分反応することがわかった。 3.培養した耳下腺細胞におけるEGFPの発現。LIBRA導入の予備実験として、EGFPおよびPKCα-EGFP遺伝子の細胞内導入を試みた。ベクターの導入には複数のリポフェクション試薬を用い、細胞のダメージやGFPの発現効率などを比較した。その結果、リポフェクトアミン2000とOpti MEMメディウムを用いる方法が最も効果的であることが明らかになった。イオノマイシンで刺激したところ、細胞質に発現していたPKCα-EGFPが細胞膜へトランスローケーションすることが確認された。この結果は、培養耳下腺細胞がEGFP発現後も十分反応性を保持していることを示している。
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