2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝を制御する副甲状腺ホルモン受容体転写促進因子の機能解析
Project/Area Number |
17591948
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
川根 徹也 奥羽大学, 歯学部, 講師 (00265208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 豊信 奥羽大学, 歯学部, 助手 (10382756)
堀内 登 奥羽大学, 歯学部, 教授 (00107294)
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Keywords | PTH / PTHrP receptor / osteoblast / PTH / transcriptional factor / gel mobility shift assay / promoter / south western |
Research Abstract |
副甲状腺ホルモンは、カルシウム代謝、さらには骨代謝において重要な役割を担うが、その受容体(PTH1R)の発現は、骨組織においてはある程度分化の進んだ骨芽細胞や前肥大軟骨細胞のみといったように時期的にも部位的にも厳密に制御されている。骨芽細胞では、PTHやPTHrPによる骨形成作用を仲介するだけでなく、破骨細胞活性化因子の発現亢進を仲介することで骨吸収にも関与する。本研究では、このPTH1R遺伝子発現調節機構の解明をめざす。骨芽細胞におけるPTH1R遺伝子の主要なプロモーターであるU3プロモーターのコア領域は、GC配列に富むTATA-lessプロモーターで、deletion mutant解析および変異導入解析から、以前我々がPTHSRと名付けた転写開始点付近の配列中の+1/+12部分がイニシエーター(Inr)エレメントで、-128/-1領域が、MAZやSp1などが結合するアクチベーター結合領域、さらには、+50/+103領域が下流制御エレメントであるinitiator-mediated型のプロモーターであった。また、Inrエレメントを特異的に認識して結合するタンパク質が存在し、PTHもしくはIGF-Iの処理によりこの結合が弱くなり、しかも転写活性が減衰することから、このタンパク質がInrに結合することが転写の活性化に必要であるものと考えられた。このInr領域は、Sp1やMAZも結合することが予想される配列であるが、コンセンサス配列によるcold competitorの実験から、Sp1およびMAZとは全く異なるタンパク質が結合することが明らかとなった。このInr結合タンパク質に関して、ビオチン化したPTHSRと骨芽細胞の核抽出物を反応させ、アビジン-アガロースカラムで精製して結合したタンパク質をSDS-PAGEで解析したところ、93,105および112kDa付近に候補となるタンパク質のバンドがみられた。さらに、Inrをプローブとして、サウスウエスタン法で結合タンパク質を解析したところ、105kDa付近に強いシグナルのバンドが検出された。MALDI-TOF MS PMF分析で、このタンパク質の候補を検索したところ、その一つにSp1に類似するZnフィンガーモチーフとプロリンリッチなクラスターを有する推定分子量約110kDaのタンパク質が存在した。
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