2005 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞におけるp38MAPキナーゼカスケードの役割の解明
Project/Area Number |
17591955
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
山下 照仁 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (90302893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (00360222)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (20350829)
溝口 利英 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助手 (90329475)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収 / p38 MAPキナーゼ / MKK6 / 延命 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
骨吸収におけるp38MAPKの機能を明らかにするため、破骨細胞におけるリン酸化p38MAPKの検出とp38MAPKの強制的活性化を行った。マウス骨髄細胞と骨芽細胞との共培養により得た破骨細胞と、骨髄細胞由来のマクロファージ(骨髄マクロファージ)を実験に用いた。それぞれの細胞をLPS刺激後、p38MAPK、リン酸化p38MAPK、MKK3/6、リン酸化MKK3/6をWestern法で検出した。また、アデノウイルスを用いて恒常的活性化MKK6(MKK6CA)を破骨細胞に導入し、タンパク発現および象牙切片上での吸収窩とアクチンリング形成を評価した。さらに、破骨細胞の延命を経時的に測定した。これらの実験より得られた結果は、以下の通りである。破骨細胞と骨髄マクロファージは伴にp38MAPKを発現していた。しかし、LPSの刺激で骨髄マクロファージのp38MAPKはリン酸化されたが、破骨細胞のp38MAPKはリン酸化されなかった。p38MAPKのリン酸化を担うMAPKキナーゼMKK3/6は、破骨細胞と骨髄マクロファージどちらにも発現していた。しかし、LPS刺激により骨髄マクロファージではMKK3/6が強くリン酸化されたが、破骨細胞のMKK3/6はリン酸化されなかった。MKK6CAを導入することにより初めて、破骨細胞でp38MAPKおよびMKK3/6のリン酸化が認められた。また、LacZを導入した破骨細胞コントロールに比べて、MKK6CAを導入した破骨細胞の吸収窩とアクチンリング形成には差が無かった。一方、MKK6CAを導入した破骨細胞は延命を示し、IL-1やRANKLで誘導される延命と同じ強さであった。 以上の知見より、破骨細胞特異的にp38MAPKの不活化が起こり、強制的に活性化させたp38MAPKは破骨細胞の延命を誘導することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)