2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591977
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
勝又 明敏 朝日大学, 歯学部, 助教授 (30195143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 幸弘 朝日大学, 歯学部, 助手 (60350873)
藤下 昌巳 朝日大学, 歯学部, 教授 (50028809)
谷本 啓二 広島大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (10116626)
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Keywords | 嚥下障害 / ビデオ嚥下造影 / レオロジー / 咽頭 / 誤嚥 |
Research Abstract |
本研究は、嚥下障害患者の咽頭前壁、すなわち舌背を不随意に滑落する食塊の動態をVF画像より解析し、VF検査に用いた試料(検査食)の物性との比較において検討する事により、誤嚥を生じるメカニズムの一端を解明するとともに、誤嚥防止法の改良に繋がる基礎的知見を収集することを目的とする。 患者の頭部傾斜を変えて飲食物の流路となる口腔咽頭の形状が変化した時に、飲食物が咽頭に流れ込む経路やスピードがどの様に変化するのかについての検討を進めた。頭部の傾斜が異なる複数のCT画像データから咽頭腔を描出する3次元CT画像を作製して咽頭腔の大きさや形状を解析した。同3次元画像データを基に、口腔咽頭の内腔を表す実物大模型(Rapid Processing Model)を作製した。これを被写体としたVF画像を用いて、咽頭を滑落する食塊の流動を解析(レオロジー解析)するシステムを構築している。 臨床VF画像データを検索して舌背を滑落する食塊が描出されている画像を選択し、速度および舌背斜面の傾斜を計測した。飲食物の物性(粘度)を計測して、VF画像上の滑落速度および頭部の傾斜との関係を、前項の模型を被写体としたシミュレーション実験の結果と対比しつつ検討した。その結果、粘度の低い(液体)飲食物の滑落速度は頭部(舌背)傾斜の緩急による影響を受けやすく、増粘剤等により粘性を付与した飲食物の滑落速度は、頭部(舌背)の傾斜による影響を受け難くなることがわかった。 研究成果は、原著論文(飯田幸弘ら、舌背斜面を不随意滑落する食塊の動態に関するVF画像的検討、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌、9巻3号、2005)において公表した。
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