2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591981
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中沖 靖子 北海道大学, 大学院歯科研究科, 助手 (50302881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 英彦 北海道大学, 大学院歯科研究科, 教授 (90205998)
井上 哲 北海道大学病院, 講師 (80184745)
野田 守 北海道大学病院, 講師 (10301889)
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Keywords | 象牙質 / 接着界面 / 長期耐久性 / SEM観察 |
Research Abstract |
本年度は、象牙質接着界面がヒト口腔内由来のmatrix metalloproteinase (MMP)によって長期的にどのような変化を遂げるかを、昨年度に引き続き検討した。実験としては、ヒト象牙質の湿潤状態を変化させ、これに対しボンディングレジン(トライエスボンド又はSEボンド+コンポジットレジン又はコンポマー)で接着を行った試験片をヒト唾液中(MMP含有)に6ヶ月間保存し、微小引張り接着強さの測定および顕微鏡観察に供した。 接着強さに関しては、moistな象牙質に接着させたトライエスボンド及びSEボンドに関しては、接着一日後と唾液中6ヶ月後を比較した場合、いずれも低下したが有意差は認められなかった。象牙質に歯髄側から圧をかけた試料への接着(トライエスボンドのみ)においては経時的に大きく値が減少した。その反面、象牙質をエアーにて強く乾燥して接着させた試料(トライエスボンドのみ)では、接着力に有意差は認められなかった。また、moistな象牙質にトライエスボンド+コンポマーの組み合わせでは、接着強さはやや低下傾向にあった。 これら引張り試験後の試料の破断形態をSEMにて観察したところ、SEボンドに関しては、一日後では象牙質中の破断が割合として多く見られたのに対し、6ヶ月後では接着界面、特に樹脂含浸層付近での破断が増加した。トライエスボンドでは、moistの場合、部位としては時間の経過に関係なく接着界面もしくはボンディング材直下の象牙質内での破断が多く見られたが、露出したコラーゲン繊維の長さは6ヶ月後の方が長く観察された。歯髄側から圧をかけた試料は、経時的な変化、特に6ヶ月後のコラーゲンの露出が顕著であった。乾燥象牙質への接着試料及びトライエス塗布後コンポマー充填試料では、moistの場合と類似した現象が見られた。
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