2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591981
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中沖 靖子 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (50302881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 英彦 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90205998)
井上 哲 北海道大学, 大学病院, 講師 (80184745)
野田 守 北海道大学, 大学病院, 講師 (10301889)
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Keywords | 象牙質 / 接着界面 / 経時的変化 / SEM観察 |
Research Abstract |
象牙質接着界面がヒト口腔内由来の酵素によって経時的にどのような変化を遂げるかを検討した。今回の実験としては、ヒト象牙質(歯冠部)に対し、ボンディングレジン(DCボンド、S^3ボンド、SEボンド+コンポジットレジン)で接着を行った試験片を水中に保存し、昨年度までとは逆に接着直後と1日後で微小引張り接着強さの測定および破断形態に差異が出るかどうかを検討した。 DC、S^3、SEいずれのグループも、接着後の時間経過による有意な差は見られなかった。接着後測定までの時間が同じであるグループ間の比較では、接着直後の場合、SEの方がDCよりも有意に高い値であった。24時間後の比較では、有意差は無かった。破断面のSEM像に関しては、DC接着直後の試料では、レジンタグ、管周、管間象牙質の境がやや不明瞭であり、破断面全体が非常に平坦であったが、DC24時間後では、管間象牙質でのより明瞭な繊維構造が観察された。これは、24時間後の破断が直後の場合と比べて深部よりで起こったことを推測させるものである。それに対し、S^3では直後に短いコラーゲン繊維が管間象牙質に観察されたが、24時間後にはボンディング材の層が所々に形成され、繊維構造は明瞭ではなかった。この場合も破断の部位が経時的に移行していると考えられる。SEでは直後ではタグ、管周、管間象牙質問の表面形態の段差が顕著であったが、24時間後はこれらの間が移行的な構造となっている様子が観察された。マクロな破断面の分類に関しては、S^3接着直後のグループではボンディング中の破断及び界面剥離が少数見られ、他グループでは少数の象牙質中の破断が観察される場合もあったがほぼ混合破壊であった。
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Research Products
(1 results)